こんにちは、デジタルボーイです。今回は、お問合せの多い、整骨院サイトに関する、SEO対策について、実際のサイトのデータ分析に基づいて解説したいと思います。
デジタルボーイです。
データサイエンス歴20年以上のおっさんです。中小企業診断士として、データサイエンス、WEBマーケティング、SEOに関するデータ分析、コンサルティングの仕事をしています。自己紹介の詳細はコチラ
本記事の結論
コンサル的視点からのつぶやき・・・
サイトの特徴・・・サイトの特徴としては、ひと昔前の手作り感のあるHTMLで作ったサイトが他の業界よりも多い印象です。たの業界に比べ、個人や小規模で運営していることから、売り上げの額もそれほど多くなく、WEBサイトも自分で作っている方が多いのでしょう。ただし、整骨院というビジネスの特性上、院長の人となりがわかるような自前制作サイトであれば、これはこれで、悪くない、むしろ良いように思えます。
最近の業界の特徴・・・整骨院と一括りにしても、院によって最新器具を使う院、指圧やマッサージを得意とする院、リハビリを得意とする院、ハリを得意とする院などなど、さまざまですね。また、デイホームや高齢介護施設と提携して、訪問診療をする院も増えているようです。また、リラクゼーションに特化した院も増えています。
売上を伸ばすためのポイント・・・院は「何に特徴があるのか?」「専門はなんなのか」について、きっちりと患者さんにアピールできることが重要ですね。そのためのサイトづくりが重要だと考えられます。サイトやSNSで情報を定期的に提供し、そのための器となるサイトをしっかりと作りことが重要です。
整骨院SEO施策の優先順位について・・・整骨院サイトにおけるSEO対策は、多岐にわたる作業が必要ですが、リソースが限られる中小規模の整骨院では、優先順位をつけて効率的に実行することが求められます。まず取り組むべきは、スマホ対応や表示速度の向上など、ユーザー体験に直結する施策です。その次に、診療内容や院の特徴を詳しく伝えるための文字数や画像数の充実を図り、コンテンツの質を高めることが重要です。また、内部リンクの整理やキーワードの適切な配置は、比較的短期間で効果が出やすいため、早期に取り組むべきです。戦略的に施策を段階的に進めることで、限られたリソースでも効果的なSEO対策を実現し、患者にとって魅力的なサイトを構築することが可能になります。
まずは、今回の分析結果の結論を以下にまとめます。時間のない方は、こちらだけでもぜひお読みください。
まずは、今回の分析結果の結論を以下にまとめます。時間のない方は、こちらだけでもぜひお読みください。
データから見た、整骨院SEOのポイント!(結論抜粋)
- サイト規模・・・整骨院のサイトはそれほどSEO対策はやられていない傾向でした。100ページ程度のサイト規模を目標とし、治療に関する情報などを提供するといいでしょう。
- トップページの表示速度・・・今後新たにサイトを作る際は、画像はしっかりと盛り込みつつ、軽量化を同時に行い、50−89点かそれ以上を目標としましょう。
- トップページの文字数・・・トップページの文字数は中央値の1000文字は必須、さらには、上位サイトを目指すのであれば3000字を目標に作りましょう。院の診療の内容や特徴、診療の流れなど、患者さんに寄り添う内容を伝えることを心がけます
- トップページの画像数・・・トップページでは、画像・動画等のイメージは30個程度盛り込むこととしましょう。先生、診療内容、得意な診療、院の特徴、診療時間や予約方法など、画像と一緒に盛り込みましょう。
- トップページのリンク・・・ページについては、先生の経歴、診療内容、得意な診療、院の特徴、診療時間や予約方法などを作り、それらページへのリンクを必ずトップページで9個以上は貼るようにしましょう。
- スマホ対応・・・ほぼ100%の院でスマホ対応を行なっています。今後新たにサイトを作る際は、スマホデザインと、PCデザイン、どちらもしっかりと対応したサイトを作りましょう。
- キーワード・・・キーワードの目安
- タイトルでのキーワードの使用回数:1~2回
- メタネームディスクリプションでのキーワード使用回数:1回
- ページ全体でのキーワード使用回数5回程度
データ集計結果
データの分析結果の抜粋です。
- ポータルサイトの割合・・・上位30サイト中、23%の7件
- ページ数・・・平均は674.3ページ、中央値は113.0ページ、ページ数と順位の相関係数はr=0.43
- 表示速度・・・100点満点中、平均は49.0点、中央値は51.0点、ページ数と順位の相関係数はr=-0.04
- ページ文字数・・・平均は1613.0、中央値は1024.0、文字数と順位の相関係数はr=-0.26
- 画像数・・・平均は16.8枚、中央値は6.0枚、画像数と順位の相関係数はr=-0.38
- 内部リンク数・・・平均21.7、中央値は9.0、内部リンクと順位の相関係数はr=0.15
- 外部リンク数・・・平均3.0、中央値は2.0、外部リンクと順位の相関係数はr=-0.06
- スマホ対応・・・スマホ対応サイトが21件(91.3)%、非スマホ対応のサイトが2件(8.7)%
- タイトルに入っているキーワード・・・「池袋」の数の割合はキーワードの数が0個のサイトが1件(4.3)%、1個のサイトが15件(65.2)%、2個のサイトが5件(21.7)%、3個のサイトが1件(4.3)%、4個のサイトが1件(4.3)%
- メタディスクリプションに入っているキーワード・・・「池袋」の割合はキーワードの数が0個のサイトが8件(34.8)%、1個のサイトが7件(30.4)%、2個のサイトが3件(13.0)%、3個のサイトが3件(13.0)%、4個のサイトが1件(4.3)%、5個のサイトが1件(4.3)%
- コンテンツ内のキーワード・・・「池袋」の数は平均は6.9回、中央値は3.0回、ページ数と順位の相関係数はr=-0.06
- ヘッダー1-6に入っているキーワード・・・「池袋」の割合はキーワードの数が0個のサイトが8件(34.8)%、1個のサイトが7件(30.4)%、2個のサイトが3件(13.0)%、3個のサイトが3件(13.0)%、4個のサイトが1件(4.3)%、5個のサイトが1件(4.3)%
調査方法
以下は、今回の分析に用いるデータの取得方法です。
- 調査対象キーワード:「池袋 + 整骨院」
- データ収集方法:
- GoogleカスタムサーチAPI(公式ページ)により対象キーワードで上位30位のページURLを取得
- ページスピードについてはPageSpeedInsightsの結果データをAPIで取得。
- その他のページ内のSEO指標はページデータをPythonプログラミングにより分析。
「池袋 + 整骨院」で上位サイトの特徴を調べてみた!
今回は池袋を例に整骨院の検索上位30サイトの特徴をデータに基づいて調査し、整骨院がとるべきSEO対策を解説したいと思います。
キーワード「池袋 + 整骨院」の上位30サイト
上位30サイトは次のとおりです。
30サイト中のポータルサイトの割合
上記30サイトの内、紹介サイトや業界協会サイトや自治体などのポータル系サイトの割合は次の通りです。
30サイト中、ポータルサイトの割合は23%の7件でした。これらサイトは今回の整骨院の個別サイトの直接の競合とは見なさないため、分析から除外し、以降は23件のデータで分析したいと思います。
分析1:上位サイトはどれくらいのページを制作している?
以下にポータルサイトをのぞいた23サイトのページ数のグラフを掲載します。
結論(データから見えること)
100ページ未満の小規模サイトは11サイト、100ページの中大規模サイトは12サイトであり、小規模サイトサイトが47.8%を占めていました。また、平均は674.3ページ、中央値は113.0ページ、ページ数と順位の相関係数はr=0.43でした。
データから見たSEOのポイント!
上位30件の内、ポータルサイト7件というのは、他の業種に比べポータルサイトの割合は、平均的です。ランキング11,17,20,26,27,29で、2000ページを超える規模のサイトです。それ以外は、100ページ程度から数百ページのサイト規模といえます。
整骨院のサイトはそれほどSEO対策はやられていない傾向でした。100ページ程度のサイト規模を目標とし、治療に関する情報などを提供するといいでしょう。
分析2:上位サイトの該当ページの表示速度はどれくらい?
以下は23サイトの該当ページのページスピードのグラフです。値は0〜100までを取り、100に近いほど「良い」という指標になります。なお、ページスピードについては、Googleが提供するWEBサイトのスピードを検査するための無料ツールであるPageSpeedInsightsをAPI接続し、取得しました(PageSpeedInsights公式ページへ)
また、ページスピードの結果を0-49を「低い」、50-89を「普通」、90-100を「高い」と区分けした場合の割合は以下となります。
結論(データから見えること)
該当ページのページスピードについては、100点満点中、平均は49.0点、中央値は51.0点、ページ数と順位の相関係数はr=-0.04でした。また、「0-49:低い」サイトが11件(47.8%)、「50-89:普通」サイトが11件(47.8%)、「90-100:高い」サイトが1件(4.3%)でした。
データから見たSEOのポイント!
0-49点が48%、50−89点が48%と、両者が同程度でほぼ100%を占めています。
今後新たにサイトを作る際は、画像はしっかりと盛り込みつつ、軽量化を同時に行い、50−89点かそれ以上を目標としましょう。
ページスピードの向上方法については、コチラにも記載してあるので、よかったら参考にしてください。
分析3:該当ページの文字数はどれくらい?
以下は23サイトの該当ページの文字数のグラフです。
結論(データから見えること)
該当ページの文字数については、1000文字未満のページは11サイト(47.8%)、1000文字以上のページは12サイト(52.2%)でした。また、平均は1613.0文字、中央値は1024.0文字、文字数と順位の相関係数はr=-0.26でした。
データから見たSEOのポイント!
文字数の中央値は1000文字ですが、上位ページは3,000文字以上も多くあります。内容は、自分の院の診療の特徴などをわかりやすく説明するケースが多いです。
トップページの文字数は中央値の1000文字は必須、さらには、上位サイトを目指すのであれば3000字を目標に作りましょう。院の診療の内容や特徴、診療の流れなど、患者さんに寄り添う内容を伝えることを心がけます
分析4:画像数はどれくらい?
以下は、23サイトの該当ページの画像数のグラフです。
結論(データから見えること)
該当ページの画像が10個未満のページは13サイト(56.5%)、10以上のページは10サイト(43.5%)でした。また、平均は16.8枚、中央値は6.0枚、画像数と順位の相関係数はr=-0.38でした。
データから見たSEOのポイント!
中央値は6枚で、他の業種に比べ、少ないです。とはいえ、整骨院の診療内容をより正確に伝えるためには、文章だけでなく、写真は重要です。
トップページでは、画像・動画等のイメージは30個程度盛り込むこととしましょう。先生、診療内容、得意な診療、院の特徴、診療時間や予約方法など、画像と一緒に盛り込みましょう。
分析5:内部リンク・外部リンクの数はどれくらい?
以下は23サイトの該当ページの内部リンクの数のグラフです。
続いて、該当ページの外部リンクの数です。
結論(データから見えること)
- 内部リンクについては・・・10個未満のページは12サイト(52.2%)、10以上のページは11サイト(47.8%)でした。また、平均は21.7、中央値は9.0、内部リンクと順位の相関係数はr=0.15でした。
- 外部リンクについては・・・平均は3.0、中央値は2.0、外部リンクと順位の相関係数はr=-0.06でした。
データから見たSEOのポイント!
内部リンクについては、中央値が9個です。
ページについては、先生の経歴、診療内容、得意な診療、院の特徴、診療時間や予約方法などを作り、それらページへのリンクを必ずトップページで9個以上は貼るようにしましょう。
分析6:スマホ対応サイトはどれくらい?
以下は23サイトのスマホ対応状況です。
結論(データから見えること)
また、スマホ対応に対応しているサイトが21件(91.3)%、非スマホ対応のサイトが2件(8.7)%でした。
データから見たSEOのポイント!
スマホ対応は90%以上であり、業界的にも標準かやや高い傾向です。
ほぼ100%の院でスマホ対応を行なっています。今後新たにサイトを作る際は、スマホデザインと、PCデザイン、どちらもしっかりと対応したサイトを作りましょう。
分析7:キーワードの数はどれくらい?
以下は23サイトの該当ページのタイトルへのキーワード「池袋」が入っている個数の割合です。
続いて、該当ページのメタネームディスクリプションに入っているキーワードの数です。
続いて、該当ページ内のキーワード「池袋」の出現回数の分布です。
続いて、該当ページの見出しであるH1〜H6に入っているキーワード「池袋」の数です。
結論(データから見えること)
- タイトル中のキーワード「池袋」の出現回数については、キーワードの数が0個のサイトが1件(4.3)%、1個のサイトが15件(65.2)%、2個のサイトが5件(21.7)%、3個のサイトが1件(4.3)%、4個のサイトが1件(4.3)%でした。
- メタネームディスクリプションの中のキーワード「池袋」の出現回数については、キーワードの数が0個のサイトが8件(34.8)%、1個のサイトが7件(30.4)%、2個のサイトが3件(13.0)%、3個のサイトが3件(13.0)%、4個のサイトが1件(4.3)%、5個のサイトが1件(4.3)%でした。
- ページ中のキーワード「池袋」の出現回数については、また、平均は6.9文字、中央値は3.0文字、ページ数と順位の相関係数はr=-0.06でした。
- ヘッダー(H2〜H6)の中のキーワード「池袋」の出現回数については、キーワードの数が0個のサイトが8件(34.8)%、1個のサイトが7件(30.4)%、2個のサイトが3件(13.0)%、3個のサイトが3件(13.0)%、4個のサイトが1件(4.3)%、5個のサイトが1件(4.3)%でした。
データから見たSEOのポイント!
目安として、キーワードの使用回数は以下のように考えてみるといいでしょう。
- タイトルでのキーワードの使用回数:1~2回
- メタネームディスクリプションでのキーワード使用回数:1回
- ページ全体でのキーワード使用回数5回程度
エリア名(この場合「池袋」)をタイトルに1〜2個入れている院は約8割以上を占めています。3個以上入れているサイトもありますが、あまりお勧めしません。トップページでキーワード「池袋」を使っている文字数は中央値で2回、最大でも4回に収まっています。エリア名はタイトルには1〜2個、トップページ全体で5個程度とする。
まとめ
以上、整骨院におけるSEO対策について、池袋を例にデータ分析の結果からポイントを見てきました。ぜひ、ここで紹介したデータをもとに、SEOについて取り組んでみてください。