こんにちは、デジタルボーイです。今回は、お問合せの多い、歯医者サイトに関する、SEO対策について、実際のサイトのデータ分析に基づいて解説したいと思います。
デジタルボーイです。
データサイエンス歴20年以上のおっさんです。中小企業診断士として、データサイエンス、WEBマーケティング、SEOに関するデータ分析、コンサルティングの仕事をしています。自己紹介の詳細はコチラ
本記事の結論
コンサル的視点からのつぶやき・・・
歯科クリニックでは、診療場面でのデジタル化が、かなりのスピードで進んでいる印象です。CADとかデジタルカメラとか3Dスキャナなんかの診療ための設備だけでじゃなく、オンラインカルテだったりPCモニタを患者さんと共有する設備だったり、オンライン予約だったりなどなど、患者さんの利便性を高めるためのIT化もどんどん進んでいます。僕も歯医者の予約は電話ではなく、WEB予約で済ませています。
歯科クリニックによっては、ある種の専門化も進んでいて、一般的な保険診療に加えて、そのクリニック独自の予防診療や、矯正治療や、歯の美しさの追求などで、集患に成功しているクリニックもたくさんあります。特に予防診療なんかは、先生が対応しなくても、手の空いている歯科衛生士が全て対応できるので、この分野に力を入れるのは、歯科クリニックの流行なのかもしれませんね。知り合いの歯科クリニックでも歯科衛生士にクリーニングの患者数のノルマを課しているところまであります!
歯科クリニックSEO施策の優先順位・・・歯科クリニックのSEO対策では、他業種に比べIT化が進んでいる分、競争も激しい傾向にあります。そのため、限られたリソースで効率よく取り組むには、施策の優先順位を明確にすることが重要です。まずはスマホ対応やページ表示速度の改善といった、患者の利便性に直接影響を与える部分から手をつけましょう。その後、文字数や画像の充実を図り、特に患者にとって信頼性が高く感じられるコンテンツの作成に注力することが大切です。また、キーワードの最適な配置や内部リンクの整備は、比較的短期間で結果が出やすいため、早期に取り組む価値があります。段階的に施策を進めることで、より確実に、効率的に成果を得ることが可能となるでしょう。
こんな流れで、歯科クリニックも、「診療」の側面だけでなく「経営」の側面にも力を入れなければならなくなり、マーケティングや集患は歯科クリニック経営の、超超超!重要課題といえますね!
ここで重要になってくるのが、WEB集客とSEO対策と言えるでしょう!以降では、歯科クリニックにおけるSEO対策の重要性と具体的な戦略について詳しく解説していきます。
まずは、今回の分析結果の結論を以下にまとめます。時間のない方は、こちらだけでもぜひお読みください。
データから見た、歯医者SEOのポイント!(結論抜粋)
- サイト規模・・・歯医者のSEO対策はしっかりとされている傾向がある。また、無闇にページ数を増やしているわけではなく、100ページ前後のサイト規模で、しっかりと対策をとっている。
- トップページの表示速度・・・0-49点のサイトと50−89点にちょうど2分されている。今後新たなサイトを作る場合は、トップページの表示速度が50−89点は必須の目標と言える。
- トップページの文字数・・・トップページは闇雲に文字数を増やすのではなく、2000字前後で、運営する歯科クリニックを患者さんにしっかりと伝えるための文章を簡潔に示すことが重要です。
- トップページの画像数・・・トップページでは、画像・動画等のイメージは40個程度準備しましょう。院長先生、スタッフ、クリニックの内装に加え、わかりやすい動画による紹介なども効果的でしょう。
- トップページのリンク・・・歯科クリニックの特徴、力を入れていること、診療の流れ、保険外診療の料金、などのページを作り、必ずトップページで16個以上はリンクを貼るようにしましょう。
- スマホ対応・・・ほぼ100%のクリニックでスマホ対応を行なっています。加えて、オンライン予約、SNS連携などにも他業に比べて力を入れています。サイトのIT技術の対応に力を入れるべき分野といえます。
- キーワード・・・キーワードの目安
- タイトルでのキーワードの使用回数:1~2回
- メタネームディスクリプションでのキーワード使用回数:1回
- ページ全体でのキーワード使用回数5回程度
データ集計結果
データの分析結果の抜粋です。
- ポータルサイトの割合・・・上位30サイト中、16%の5件
- ページ数・・・平均は236.0ページ、中央値は60.0ページ、ページ数と順位の相関係数はr=-0.02
- 表示速度・・・100点満点中、平均は47.2点、中央値は49.0点、ページ数と順位の相関係数はr=-0.08
- ページ文字数・・・平均は2323.3、中央値は1414.0、文字数と順位の相関係数はr=0.05
- 画像数・・・平均は17.3枚、中央値は16.0枚、画像数と順位の相関係数はr=-0.14
- 内部リンク数・・・平均17.2、中央値は14.0、内部リンクと順位の相関係数はr=-0.04
- 外部リンク数・・・平均2.8、中央値は1.0、外部リンクと順位の相関係数はr=-0.04
- スマホ対応・・・スマホ対応サイトが24件(96.0)%、非スマホ対応のサイトが1件(4.0)%
- タイトルに入っているキーワード・・・「池袋」の数の割合はキーワードの数が1個のサイトが10件(40.0)%、2個のサイトが13件(52.0)%3個のサイトが2件(8.0)%、
- メタディスクリプションに入っているキーワード・・・「池袋」の割合はキーワードの数が1個のサイトが9件(36.0)%、2個のサイトが9件(36.0)%、3個のサイトが6件(24.0)%5個のサイトが1件(4.0)%、
- コンテンツ内のキーワード・・・「池袋」の数は平均は6.8回、中央値は2.0回、ページ数と順位の相関係数はr=0.0
- ヘッダー1-6に入っているキーワード・・・「池袋」の割合はキーワードの数が1個のサイトが9件(36.0)%、2個のサイトが9件(36.0)%、3個のサイトが6件(24.0)%5個のサイトが1件(4.0)%、
調査方法
以下は、今回の分析に用いるデータの取得方法です。
- 調査対象キーワード:「池袋 + 歯医者」
- データ収集方法:
- GoogleカスタムサーチAPI(公式ページ)により対象キーワードで上位30位のページURLを取得
- ページスピードについてはPageSpeedInsightsの結果データをAPIで取得。
- その他のページ内のSEO指標はページデータをPythonプログラミングにより分析。
「池袋 + 歯医者」で上位サイトの特徴を調べてみた!
今回は池袋を例に歯医者の検索上位30サイトの特徴をデータに基づいて調査し、歯医者がとるべきSEO対策を解説したいと思います。
キーワード「池袋 + 歯医者」の上位30サイト
上位30サイトは次のとおりです。
30サイト中のポータルサイトの割合
上記30サイトの内、紹介サイトや業界協会サイトや自治体などのポータル系サイトの割合は次の通りです。
30サイト中、ポータルサイトの割合は16%の5件でした。これらサイトは今回の歯医者の個別サイトの直接の競合とは見なさないため、分析から除外し、以降は25件のデータで分析したいと思います。
分析1:上位サイトはどれくらいのページを制作している?
以下にポータルサイトをのぞいた25サイトのページ数のグラフを掲載します。
結論(データから見えること)
100ページ未満の小規模サイトは13サイト、100ページの中大規模サイトは12サイトであり、小規模サイトサイトが52.0%を占めていました。また、平均は236.0ページ、中央値は60.0ページ、ページ数と順位の相関係数はr=-0.02でした。
データから見たSEOのポイント!
スマホ対応は約96%とであり、ほぼ全ての歯科医院でスマホ対応がされています。他業界と比べても、かなり高い比率です。ただし、残念なのはPCからのデザインが逆に見にくいサイトもある点です。
ほぼ100%のクリニックでスマホ対応を行なっています。加えて、オンライン予約、SNS連携などにも他業に比べて力を入れています。サイトのIT技術の対応に力を入れるべき分野といえます。
分析2:上位サイトのページスピードはどれくらい?
以下は25サイトのページスピードのグラフです。値は0〜100までを取り、100に近いほど「良い」という指標になります。なお、ページスピードについては、Googleが提供するWEBサイトのスピードを検査するための無料ツールであるPageSpeedInsightsをAPI接続し、取得しました(PageSpeedInsights公式ページへ)
また、ページスピードの結果を0-49を「低い」、50-89を「普通」、90-100を「高い」と区分けした場合の割合は以下となります。
結論(データから見えること)
ページスピードについては、100点満点中、平均は47.2点、中央値は49.0点、ページ数と順位の相関係数はr=-0.08でした。また、「0-49:低い」サイトが13件(52.0%)、「50-89:普通」サイトが12件(48.0%)、「90-100:高い」サイトが0件(0.0%)でした。
データから見たSEOのポイント!
50−89点の中程度のサイトは約5割を占めています。概ね、他の業種の同じような分布になっています。0-49点のサイトと50−89点にちょうど2分されている。今後新たなサイトを作る場合は、トップページの表示速度が50−89点は必須の目標と言える。
ページスピードの向上方法については、コチラにも記載してあるので、よかったら参考にしてください。
分析3:ページの文字数はどれくらい?
以下は25サイトの文字数のグラフです。
結論(データから見えること)
1000文字未満のページは9サイト(36.0%)、1000文字以上のページは16サイト(64.0%)でした。また、平均は2323.3文字、中央値は1414.0文字、文字数と順位の相関係数はr=0.05でした。
データから見たSEOのポイント!
ランク12,27は特に文字数は多いが、その他のサイトは1000~4000字程度が多いです。内容も、歯科クリニックの特徴をわかりやすく表現しているサイトが多いです。トップページは闇雲に文字数を増やすのではなく、2000字前後で、運営する歯科クリニックを患者さんにしっかりと伝えるための文章を簡潔に示すことが重要です。
分析4:画像数はどれくらい?
以下は25サイトの文字数のグラフです。
結論(データから見えること)
画像が10個未満のページは10サイト(40.0%)、10以上のページは15サイト(60.0%)でした。また、平均は17.3枚、中央値は16.0枚、画像数と順位の相関係数はr=-0.14でした。
データから見たSEOのポイント!
中央値は16枚で、他の業種に比べ、多いです。他の業種に比べ、経営者である先生の人となりや、クリニックの雰囲気など、文字以上にイメージで伝える必要があるからでしょう。トップページでは、画像・動画等のイメージは40個程度準備しましょう。院長先生、スタッフ、クリニックの内装に加え、わかりやすい動画による紹介なども効果的でしょう。
分析5:内部リンク・外部リンクの数はどれくらい?
以下は25サイトの内部リンクの数のグラフです。
続いて、外部リンクの数です。
結論(データから見えること)
- 内部リンクについては・・・10個未満のページは9サイト(36.0%)、10以上のページは16サイト(64.0%)でした。また、平均は17.2、中央値は14.0、内部リンクと順位の相関係数はr=-0.04でした。
- 外部リンクについては・・・平均は2.8、中央値は1.0、外部リンクと順位の相関係数はr=-0.04でした。
データから見たSEOのポイント!
内部リンクについては、中央値が14個です。歯科クリニックの特徴、力を入れていること、診療の流れ、保険外診療の料金、などのページを作り、必ずトップページで16個以上はリンクを貼るようにしましょう。
分析6:スマホ対応サイトはどれくらい?
以下は25サイトのスマホ対応状況です。
結論(データから見えること)
また、スマホ対応に対応しているサイトが24件(96.0)%、非スマホ対応のサイトが1件(4.0)%でした。
データから見たSEOのポイント!
スマホ対応は約96%とであり、ほぼ全ての歯科医院でスマホ対応がされています。他業界と比べても、かなり高い比率です。ただし、残念なのはPCからのデザインが逆に見にくいサイトもある点です。ほぼ100%のクリニックでスマホ対応を行なっています。加えて、オンライン予約、SNS連携などにも他業に比べて力を入れています。サイトのIT技術の対応に力を入れるべき分野といえます。
分析7:キーワードの数はどれくらい?
以下は25サイトのタイトルへのキーワード「池袋」が入っている個数の割合です。
続いて、メタネームディスクリプションに入っているキーワードの数です。
続いて、ページ内のキーワード「池袋」の出現回数の分布です。
続いて、見出しであるH1〜H6に入っているキーワード「池袋」の数です。
結論(データから見えること)
- タイトル中のキーワード「池袋」の出現回数については、キーワードの数が1個のサイトが10件(40.0)%、2個のサイトが13件(52.0)%3個のサイトが2件(8.0)%、でした。
- メタネームディスクリプションの中のキーワード「池袋」の出現回数については、キーワードの数が1個のサイトが9件(36.0)%、2個のサイトが9件(36.0)%、3個のサイトが6件(24.0)%5個のサイトが1件(4.0)%、でした。
- ページ中のキーワード「池袋」の出現回数については、また、平均は6.8文字、中央値は2.0文字、ページ数と順位の相関係数はr=0.0でした。
- ヘッダー(H2〜H6)の中のキーワード「池袋」の出現回数については、キーワードの数が1個のサイトが9件(36.0)%、2個のサイトが9件(36.0)%、3個のサイトが6件(24.0)%5個のサイトが1件(4.0)%、でした。
データから見たSEOのポイント!
目安として、キーワードの使用回数は以下のように考えてみるといいでしょう。
- タイトルでのキーワードの使用回数:1~2回
- メタネームディスクリプションでのキーワード使用回数:1回
- ページ全体でのキーワード使用回数5回程度
エリア名(この場合「池袋」)をタイトルに1〜2個入れているクリニックは約7割を占めています。3個以上入れているサイトもありますが、あまりお勧めしません。トップページでキーワード「池袋」を使っている文字数は中央値で2回、最大でも5回に収まっています。エリア名については闇雲に連発しない。タイトルには1〜2個、トップページ全体でも2〜3個で十分
まとめ
以上、歯科クリニックにおけるSEO対策について、池袋を例にデータ分析の結果からポイントを見てきました。思ったよりも、IT化の進んでいる業界でびっくりしました。ぜひ、今回のデータを活用してみてください!