ふくおかの人は何にお金を使っている?品目別支出データの分析

こんにちは、デジタルボーイです。福岡市の人たちはどんな物やことにお金を使っているのか?について、品目別支出データをもとに分析してみました。

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目次

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全国と比較した福岡市の支出額

ついは全国52の県庁所在地および主要都市の世帯当たりの1年間の家計における支出額のグラフです。

福岡市の一世帯当たり年間支出額は269万円で、全国52の県庁所在地および主要都市の中で23番目に位置しています。中間よりやや高い位置にいます。ここから、大都市の割に支出が少ない都市であることがわかります。ちなみに、福岡市と近い順位の都市は、’山形市’, ‘新潟市’, ‘広島市’, ‘徳島市’, ‘大分市’, ‘堺市’となり、人口規模も福岡市に比べて低い都市と同程度の消費額と言えます。

福岡市の支出構成比が示す生活スタイルの特徴

続いて、福岡市の支出構成比を全国平均と比較すると、いくつかの興味深い違いが見えてきました。以下はそのグラフと数表です。

支出項目全国福岡市
食料31.1%30.5%
住居8.7%10.8%
光熱・水道8.6%6.9%
家具・家事用品4.3%3.9%
被服及び履物3.4%4.4%
保健医療5.2%5.0%
交通・通信15.2%13.9%
教育2.9%3.2%
教養娯楽11.3%11.2%
諸雑費9.3%10.2%

福岡市の支出構成比を全国平均と比較すると、いくつかの特徴が見られました。

まず、住居費の割合(10.8%)が全国平均(8.7%)より高いことが際立っています。福岡市は都市部であるため、賃貸住宅や持ち家の費用が全国平均よりも高い傾向にある可能性があります。一方、光熱・水道費(6.9%)は全国平均(8.6%)よりも低いことが特徴です。これは、福岡市の温暖な気候が冷暖房費の抑制に寄与している可能性があります。

また、被服及び履物(4.4%)の割合は全国平均(3.4%)より高いことから、福岡市では衣服やファッションへの支出がやや多いことが示唆されます。これは都市生活者特有の消費傾向かもしれません。さらに、交通・通信費(13.9%)は全国平均(15.2%)を下回っていることも興味深い点です。福岡市はコンパクトな都市で公共交通機関が発達しているため、自家用車にかかる費用が低い可能性があります。一方で、諸雑費(10.2%)が全国平均(9.3%)より高いことから、その他の雑多な支出がやや多い傾向が見られます。これは都市部ならではのライフスタイルや消費行動に関連している可能性があります。

全体として、福岡市の支出構成比は都市特有の特徴が反映されており、住居費や被服費が高い一方、光熱費や交通費が抑えられているバランスが見て取れます。このような支出傾向は、福岡市の都市環境や住民の生活スタイルを反映していると考えられます。

福岡市の支出が全国的に見て高い品目とは?

続いて、全国の52都市の支出品目と比較した、福岡市の支出額の多い品目と少ない品目について、分析してみました。分析の方法としては、各都市の支出額を偏差値に変換し、福岡市が全国的に突出して高い品目(偏差値60以上)としました。これにより、福岡市の特徴的な支出傾向を、他都市との比較を通じて明らかにしています。

福岡市の消費額が偏差値60以上の品目

以下は、福岡市の消費額が偏差値60以上だった品目のリストです。

品目偏差値
他の穀類65.4
他の穀類のその他76.3
たらこ78.7
粉ミルク76.8
他の野菜のその他63.9
ケーキ69.7
他の菓子64.9
ミネラルウォーター64.6
ウイスキー71.7
外食66.2
一般外食65.7
食事代61.4
焼肉62.0
他の主食的外食72.6
飲酒代72.4
賄い費115.7
家賃地代64.6
公営家賃104.2
給与住宅家賃68.8
他の家事用耐久財65.3
食器戸棚76.9
家事雑貨63.4
他の家事雑貨68.1
被服及び履物63.1
洋服70.5
男子用洋服73.7
背広服69.5
他の男子用洋服86.9
他の婦人用洋服67.3
他の男子用シャツ60.6
他の被服61.0
帽子68.5
品目偏差値
ネクタイ65.6
履物類63.4
男子靴82.4
被服賃借料67.1
年極・月極駐車場借料67.3
他の駐車場借料62.7
レンタカー・カーシェアリング料金77.1
幼児教育費用70.9
専修学校60.5
教科書・学習参考教材63.5
学習参考教材71.7
補習教育64.7
幼児・小学校補習教育62.6
高校補習教育・予備校70.2
他の教養娯楽用耐久財61.4
月謝類60.5
語学月謝76.9
音楽月謝72.6
入場・観覧・ゲーム代65.8
スポーツ観覧料66.8
他の入場・ゲーム代80.4
諸会費86.2
写真撮影・プリント代78.5
その他の消費支出61.8
口紅64.0
ヘアカラーリング剤83.8
身の回り用品64.7
通学用かばん60.1
アクセサリー64.3
他の交際費63.8
つきあい費68.8
住宅関係負担費62.1
国内遊学仕送り金71.3

食文化への支出の高さ

福岡市では、食文化に関する支出が高いことが大きな特徴です。「たらこ」や「ケーキ」などの特定食品に加え、「外食」や「飲酒代」の偏差値が高く、住民が豊かな食文化や外食を積極的に楽しむ傾向が見られます。

住居関連支出の特徴

住居関連では、「家賃地代」や「給与住宅家賃」が全国平均を上回り、特に「公営家賃」の偏差値が非常に高い点が注目されます。これは、公営住宅が都市部で広く利用されている可能性を示しています。

ファッションと美容への意識

「洋服」や「男子用洋服」、「帽子」、「男子靴」といった衣類に加え、「ヘアカラーリング剤」や「口紅」などの美容関連支出が高いことが特徴です。これらの項目から、福岡市の住民はファッションや身だしなみに強い関心を持っていることがうかがえます。

教育への投資

「幼児教育費用」や「高校補習教育・予備校」、さらには「語学月謝」や「音楽月謝」といった教育関連の支出が高く、特に教養分野に対する投資意識の高さが見られます。語学や音楽といった分野への支出は、福岡市の住民の教育熱心さを象徴しています。

娯楽と社交活動の充実

「入場・観覧・ゲーム代」や「スポーツ観覧料」、「諸会費」、「つきあい費」など、娯楽や社交活動に関連する支出が高いことから、趣味や交流活動に積極的であることが伺えます。これらの傾向は、都市部の生活の豊かさを反映しています。

移動手段と車両関連支出

「レンタカー・カーシェアリング料金」や「年極・月極駐車場借料」の偏差値が高く、移動手段が多様化していることがうかがえます。この特徴は、都市生活者特有の交通手段への支出を反映しています。

趣味や家族支援への支出

「写真撮影・プリント代」や「国内遊学仕送り金」の高さは、個人の趣味や地方にいる家族への支援など、幅広い生活の側面を反映しています。

まとめ

福岡市の消費傾向は、食文化の豊かさやファッション、美容への関心、教育や娯楽への積極的な投資が目立ちます。また、住居や移動手段に関連する支出も全国平均を上回り、都市部ならではの生活コストや消費行動が浮き彫りになっています。全体として、福岡市の住民は多様で活発な消費行動を特徴とする都市生活を送っていると言えます。

福岡市の支出が全国的に見て高い品目とは?

続いて、偏差値が38以下だった品目のリストです。

福岡市の消費額が偏差値38以上の品目

item福岡市
38.0
麺類32.3
生うどん・そば35.2
乾うどん・そば37.5
中華麺37.4
カップ麺35.6
魚介類33.9
生鮮魚介36.0
鮮魚36.5
まぐろ36.1
さけ34.9
塩さけ37.1
魚肉練製品35.9
他の魚肉練製品36.0
他の魚介加工品35.9
加工肉35.4
ソーセージ29.1
野菜・海藻34.2
生鮮野菜36.8
葉茎菜35.9
ねぎ35.0
レタス33.6
ブロッコリー36.2
根菜36.1
だいこん35.6
にんじん31.9
他の根菜37.2
きゅうり32.9
トマト35.8
生しいたけ34.7
しめじ35.9
えのきたけ37.9
他のきのこ37.2
大豆加工品32.3
豆腐29.0
油揚げ・がんもどき37.9
他の野菜・海藻加工品30.7
こんにゃく36.9
梅干し38.0
item福岡市
他の野菜・海藻加工品のその他26.7
果物34.9
生鮮果物34.2
みかん37.7
他の柑きつ類37.2
すいか31.5
バナナ34.6
キウイフルーツ32.9
油脂・調味料37.1
マーガリン32.9
調味料36.8
みそ37.0
他の調味料36.2
プリン32.2
せんべい32.3
すし(弁当)31.1
他の主食的調理食品38.0
うなぎのかば焼き35.4
サラダ34.4
コロッケ37.7
天ぷら・フライ35.7
乳酸菌飲料33.5
すし(外食)36.0
設備修繕・維持34.9
設備材料37.1
光熱・水道36.3
電気代32.7
電球・ランプ35.1
トイレットペーパー37.9
殺虫・防虫剤35.1
他の婦人用シャツ35.4
栄養剤37.3
通信37.0
固定電話通信料30.9
園芸用品35.6
書籍・他の印刷物36.3
新聞29.4
雑誌37.5
化粧クリーム36.0
化粧水37.4

食品関連の消費

福岡市では、生鮮食品や加工食品に関する消費が比較的低めですが、一部の品目には特徴が見られます。「梅干し」や「油揚げ・がんもどき」(ともに偏差値37.9)、「えのきたけ」(37.9)といった特定の食品への支出が目立ちます。また、「みかん」(37.7)や「他の柑きつ類」(37.2)のような柑橘類に関する消費が高めで、地域特有の食文化や嗜好を反映していると考えられます。

調味料では「みそ」(37.0)や「他の調味料」(36.2)の偏差値が全国平均に近く、福岡市の食文化が調味料の使用を重視していることが示されています。

外食や惣菜への支出

「すし(外食)」(36.0)や「コロッケ」(37.7)、「天ぷら・フライ」(35.7)など、外食や調理済み食品への支出がそれほど高くはないものの、一定の水準を維持しています。これは福岡市の住民が外食や手軽な調理済み食品を適度に活用している生活スタイルを反映しています。

日用品と修繕維持費

日用品では「トイレットペーパー」(37.9)や「殺虫・防虫剤」(35.1)の支出がやや高めで、家庭の日常消耗品に対して一定の支出が見られます。また、「設備材料」(37.1)や「設備修繕・維持」(34.9)の偏差値が全国平均に近く、住居や生活環境の維持に対して意識的であることがうかがえます。

化粧品・美容関連

「化粧クリーム」(36.0)や「化粧水」(37.4)への支出は全国平均をやや上回っており、福岡市の住民が美容やスキンケアに一定の関心を持っていることが分かります。これにより、都市部特有の美容意識が見て取れます。

通信関連と出版物

「通信」(37.0)や「雑誌」(37.5)への支出がやや高い点が特徴的です。これは、住民が情報通信や印刷物を生活の一部として重視していることを示唆しています。一方、「新聞」(29.4)への支出は比較的低く、若年層を含む幅広い住民層がデジタル媒体へ移行している可能性が考えられます。

まとめ

福岡市の消費は、特定の食品や調味料に特徴が見られる一方で、全体的には全国平均を下回る品目が多い傾向があります。しかし、トイレットペーパーや化粧水などの日用品や美容関連、柑橘類などの地域特有の食品への支出には一定の特徴があり、生活必需品や地域特有の嗜好に基づく消費行動が反映されています。また、通信や雑誌などの情報関連支出に一定の関心がある一方で、新聞の消費が少ないことは時代の変化を感じさせる結果となっています。

福岡市の支出についての考察

以上より、福岡市の消費傾向から福岡市の文化的な特徴を分析してみましょう。

食文化と地域特性

福岡市の支出傾向を見ると、地域特有の食文化が浮かび上がります。例えば、「梅干し」や「みかん」、「他の柑きつ類」など、特定の食品への支出が高く、地元での食文化や伝統的な味覚を重視する傾向が見られます。一方で、加工食品やカップ麺、魚介類全般への支出は全国平均を下回っており、簡便性よりも新鮮さや品質を重視する可能性が示唆されます。これは、豊かな地元の食材が手に入りやすい福岡市ならではの特徴とも言えるでしょう。

外食と惣菜への適度な依存

外食や調理済み食品に関する支出は、突出して高いわけではありませんが、一定の水準を保っています。「すし(外食)」や「天ぷら・フライ」などの項目で全国平均に近い偏差値を示しており、住民は自炊と外食をバランスよく取り入れた生活スタイルを送っていると考えられます。特に手軽な食事や惣菜への支出は、都市部特有の忙しい生活に対応しているといえるでしょう。

日用品と住環境の維持への意識

福岡市の住民は「トイレットペーパー」や「殺虫・防虫剤」などの日用品に対する支出が高く、家庭内の快適さや清潔さに配慮していることがうかがえます。また、「設備材料」や「設備修繕・維持」への支出も高めであり、住環境を維持するための投資意識が伺えます。これは、住みやすい都市環境を整えようとする姿勢の表れともいえます。

美容と身だしなみへの関心

化粧品やスキンケア用品への支出が全国平均を上回っており、福岡市の住民は美容や身だしなみに高い関心を持っていることが分かります。「化粧水」や「化粧クリーム」への支出が高いことは、都市部の生活における外見への意識の高さを反映しています。この傾向は、福岡市が若者や働く女性を多く含む活気ある都市であることを示しているといえるでしょう。

情報と娯楽の消費スタイル

「通信」や「雑誌」への支出が全国平均をやや上回る一方で、「新聞」の支出が低い点が特徴的です。これは、デジタル媒体へのシフトが進んでいることを示唆しています。また、一定水準の娯楽支出も見られ、福岡市の住民は情報や娯楽を日常生活の重要な要素として位置づけていることがうかがえます。

まとめ

福岡市の消費傾向には、地域特有の食文化への重視、適度な外食利用、日用品や住環境の維持への意識の高さが見られます。また、美容や情報消費への関心が強く、都市部の特性が反映されています。これらの特徴は、福岡市が生活の快適さや多様な消費スタイルを重視する都市であることを物語っています。一方で、加工食品や新聞の消費が低い点からは、効率性よりも質を重視し、デジタル化が進む都市であるという一面も見て取れます。

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