弁護士がやるべきSEO対策とは?実サイトを元に解説

こんにちは、デジタルボーイです。今回は、お問合せの多い、弁護士サイトに関する、SEO対策について、実際のサイトのデータ分析に基づいて解説したいと思います。

記事を書いた人

デジタルボーイです。
データサイエンス歴20年以上のおっさんです。中小企業診断士として、データサイエンス、WEBマーケティング、SEOに関するデータ分析、コンサルティングの仕事をしています。自己紹介の詳細はコチラ

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本記事の結論

コンサル的視点からのつぶやき・・・

コロナ後、弁護士ビジネスはなかなか変化があったと思います。特に大きな変化は、オンライン法律相談やzoomなどのネット会議ツールを利用した打ち合わせではないでしょうか。一部の企業では、AI技術を活用した法的文書の作成だったり、簡単な契約書のチェックをAIでおこなっているケースもありますよね。業界的には、一部の裁判手続きもオンライン化がすすんでいるようですし。。。

弁護士ではAIを活用したビジネスにおける法的判断に特化したケースなど、さらに専門的なケースに特化して、相談件数を伸ばしている先生も多くいるようですね。

弁護士事務所のSEO施策の優先順位・・・弁護士事務所のSEO対策では、特にコロナ後のオンライン法律相談の増加により、スマホ対応やページ表示速度の改善が最優先と考えられます。これらは、顧客の利便性向上に直結し、初期段階で成果を出しやすいポイントです。その後、トップページやコラムページの文字数と画像数の充実を進め、法律相談の具体例や事務所の強みを丁寧に伝えることで、訪問者に信頼感を与えるコンテンツを作成することが重要です。また、内部リンクを適切に設定し、相続や離婚、交通事故といった法律ニーズごとに関連ページを紐づけることで、ユーザーエクスペリエンスを向上させるとともにSEO効果を高めることができます。このように段階的かつ戦略的に取り組むことで、効率的にSEOの成果を上げることが可能です。

このような状況のため、コロナ禍以降は、弁護士ビジネスにおけるWEB集客とSEO対策は、さらに重要性がマシマシになっていると言えます。以降は弁護士ビジネスのSEO戦略のポイントについて、まとめています。

まずは、今回の分析結果の結論を以下にまとめます。時間のない方は、こちらだけでもぜひお読みください。

データから見た、弁護士SEOのポイント!(結論抜粋)

  • サイト規模・・・法律関連の質問と相談ページやサービス案内など、顧客のニーズに合ったページを50ページほどコラムとしてしっかり制作するといいでしょう。
  • トップページの表示速度・・・遅いサイトは、画像が最適化されていないケースが多いようです。特に、弁護士先生の写真は画質を落としたくないため重い傾向がありますが、軽量化をしっかりすることが重要です。
  • トップページの文字数・・・特にニーズの高い法律相談案件のケースやフローなどを中心に、トップページで1,000~2,000文字程度、しっかりと説明するといいでしょう。
  • トップページの画像数・・・できるだけ優しそうな笑顔の先生の顔写真や、相談しやすい雰囲気を演出した写真を10枚程度、使うといいでしょう。
  • トップページのリンク・・・法律相続の事例紹介、料金案内、事務所へのアクセスなどのページを作り、必ずトップページで16個以上はリンクを貼るようにしましょう。
  • スマホ対応・・・スマホ対応は必須ですが、スマホデザインのみに特化するのではなくビジネス法務での相談も想定したPCデザインもしっかりと作ることが重要です。
  • キーワード・・・キーワードの目安
    • タイトルでのキーワードの使用回数:1~2回
    • メタネームディスクリプションでのキーワード使用回数:1回
    • ページ全体でのキーワード使用回数10回程度

データ集計結果

データの分析結果の抜粋です。

  • 上位30サイト中、ポータルサイトの割合は10%の3件
  • ページ数の平均は439.0ページ、中央値は50.0ページ、ページ数と順位の相関係数はr=-0.31
  • 表示速度については100点満点中、平均は56.1点、中央値は58.0点、ページ数と順位の相関係数はr=0.06
  • ページ文字数の平均は1705.8、中央値は924.0、文字数と順位の相関係数はr=0.09
  • 画像数の平均は15.6枚、中央値は11.0枚、画像数と順位の相関係数はr=0.01
  • 内部リンク数は平均27.2、中央値は16.0、内部リンクと順位の相関係数はr=-0.06
  • 外部リンク数は平均4.7、中央値は2.0、外部リンクと順位の相関係数はr=0.01
  • レスポンシブデザインに対応しているサイトが21件(77.8)%、非レスポンシブデザインのサイトが6件(22.2)%
  • タイトルに入っているキーワード「渋谷」の数の割合はキーワードの数が0個のサイトが3件(11.1)%、1個のサイトが17件(63.0)%、2個のサイトが5件(18.5)%、3個のサイトが1件(3.7)%、4個のサイトが1件(3.7)%
  • メタディスクリプションに入っているキーワード「渋谷」の割合はキーワードの数が0個のサイトが9件(33.3)%、1個のサイトが14件(51.9)%、2個のサイトが2件(7.4)%、3個のサイトが1件(3.7)%、6個のサイトが1件(3.7)%、
  • コンテンツ内のキーワード「渋谷」の数は平均は6.5回、中央値は3.0回、ページ数と順位の相関係数はr=0.03
  • ヘッダー1-6に入っているキーワード「渋谷」の割合はキーワードの数が0個のサイトが9件(33.3)%、1個のサイトが14件(51.9)%、2個のサイトが2件(7.4)%、3個のサイトが1件(3.7)%、6個のサイトが1件(3.7)%、

調査方法

以下は、今回の分析に用いるデータの取得方法です。

  • 調査対象キーワード:「渋谷 + 弁護士」
  • データ収集方法:
    • GoogleカスタムサーチAPI(公式ページ)により対象キーワードで上位30位のページURLを取得
    • ページスピードについてはPageSpeedInsightsの結果データをAPIで取得。
    • その他のページ内のSEO指標はページデータをPythonプログラミングにより分析。

「渋谷 + 弁護士」で上位サイトの特徴を調べてみた!

今回は渋谷を例に弁護士の検索上位30サイトの特徴をデータに基づいて調査し、弁護士がとるべきSEO対策を解説したいと思います。

キーワード「渋谷 + 弁護士」の上位30サイト

上位30サイトは次のとおりです。

順位サイト名
1渋谷 武宏 | アンダーソン・毛利・友常法律事務所
2弁護士法人 渋谷シビック法律事務所
3東京渋谷法律事務所
4しぶや総合法律事務所|大阪市・南森町の弁護士
5法律・交通事故相談 | くらしに関する相談先 | 渋谷区ポータル
6渋谷 卓司(Takashi SHIBUYA) | 弁護士等 | 西村あさひ
7渋谷アクア法律事務所
8船井法律事務所|東京都渋谷区の弁護士・法律相談
9第一東京弁護士会渋谷法律相談センター
10渋谷ブレイン法律事務所
11渋谷の弁護士 安心できる法律相談 – 東京都 – 弁護士ドットコム
12渋谷中央法律事務所|刑事事件|弁護士
13弁護士紹介 | 無料法律相談のある渋谷の法律事務所
14渋谷の弁護士による法律相談ならウカイ&パートナーズ法律事務所
15吉田 悌一郎 弁護士 | 渋谷共同法律事務所
16弁護士 渋谷有可
17渋谷法律事務所
18弁護士紹介 | 渋谷宮益坂法律事務所
19渋谷法律相談センター|弁護士会の法律相談センター
20法律相談は渋谷の弁護士へ|オリオン法律事務所【渋谷ハチ公口】
21渋谷カケル法律事務所|渋谷区、渋谷駅近く 弁護士による法律相談
22渋谷区で法律相談できる弁護士 | ココナラ法律相談
23渋谷区(東京都)の離婚問題に強い弁護士一覧|ベンナビ離婚(旧 …
24渋谷区恵比寿で実績ある弁護士をお探しなら水野泰孝法律事務所へ
25【渋谷】交通事故弁護士被害相談|渋谷オリオン法律事務所
26弁護士紹介|【少年事件】渋谷青山刑事法律事務所(東京)
27渋谷第一法律事務所 | JR渋谷駅東口から徒歩6分 –
28弁護士紹介:綾部薫平|しぶや総和法律事務所
29長井法律事務所 – 東京・渋谷区の弁護士に法律相談
30東京都文京区の弁護士事務所|文京区千駄木駅から徒歩1分
表:キーワード「渋谷」の上位30サイト一覧

30サイト中のポータルサイトの割合

上記30サイトの内、紹介サイトや業界協会サイトや自治体などのポータル系サイトの割合は次の通りです。

図:ポータルサイトの割合

30サイト中、ポータルサイトの割合は10%の3件でした。これらサイトは今回の弁護士の個別サイトの直接の競合とは見なさないため、分析から除外し、以降は27件のデータで分析したいと思います。

分析1:上位サイトはどれくらいのページを制作している?

以下にポータルサイトをのぞいた27サイトのページ数のグラフを掲載します。

図:ページ数の分布(ポータルサイトは除外)

結論(データから見えること)

100ページ未満の小規模サイトは15サイト、100ページの中大規模サイトは12サイトであり、小規模サイトサイトが55.6%を占めていました。また、平均は439.0ページ、中央値は50.0ページ、ページ数と順位の相関係数はr=-0.31でした。

データから見たSEOのポイント!

一部のサイトは2,000字を超える大規模サイトのようですが、数十ページの小規模サイトも15件となっています。ただ、10ページ未満のサイトはほぼおらず、関連記事で数十ページは制作されているようです。法律関連の質問と相談ページやサービス案内など、顧客のニーズに合ったページを50ページほどコラムとしてしっかり制作するといいでしょう。

分析2:上位サイトのページスピードはどれくらい?

以下は27サイトのページスピードのグラフです。値は0〜100までを取り、100に近いほど「良い」という指標になります。なお、ページスピードについては、Googleが提供するWEBサイトのスピードを検査するための無料ツールであるPageSpeedInsightsをAPI接続し、取得しました(PageSpeedInsights公式ページへ

図:ページスピードの分布

また、ページスピードの結果を0-49を「低い」、50-89を「普通」、90-100を「高い」と区分けした場合の割合は以下となります。

図:ページスピードの区分の比率

結論(データから見えること)

ページスピードについては、100点満点中、平均は56.1点、中央値は58.0点、ページ数と順位の相関係数はr=0.06でした。また、「0-49:低い」サイトが11件(40.7%)、「50-89:普通」サイトが14件(51.9%)、「90-100:高い」サイトが2件(7.4%)でした。

データから見たSEOのポイント!

50−89点の中程度のサイトは約5割を占めています。概ね、他の業種の同じような分布になっています。遅いサイトは、画像が最適化されていないケースが多いようです。特に、弁護士先生の写真は画質を落としたくないため重い傾向がありますが、軽量化をしっかりすることが重要です。

ページスピードの向上方法については、コチラにも記載してあるので、よかったら参考にしてください。

分析3:ページの文字数はどれくらい?

以下は27サイトの文字数のグラフです。

図:ページの文字数の分布

結論(データから見えること)

1000文字未満のページは14サイト(51.9%)、1000文字以上のページは13サイト(48.1%)でした。また、平均は1705.8文字、中央値は924.0文字、文字数と順位の相関係数はr=0.09でした。

データから見たSEOのポイント!

ランク26は8,000字を越える文字数です。それ以外は概ね数百から数千の範囲ですね。内容も、法律事務所の紹介などが多いようです。特にニーズの高い法律相談案件のケースやフローなどを中心に、トップページでしっかりと説明するといいでしょう。

分析4:画像数はどれくらい?

以下は27サイトの文字数のグラフです。

図:画像数の分布

結論(データから見えること)

画像が10個未満のページは12サイト(44.4%)、10以上のページは15サイト(55.6%)でした。また、平均は15.6枚、中央値は11.0枚、画像数と順位の相関係数はr=0.01でした。

データから見たSEOのポイント!

中央値は11枚で、他の士業に比べ、多い傾向があります。おそらく、他の士業以上に先生の写真が多いためだと思われます。他の士業に比べ法律相談は、その先生の人となりを知りたいというクライアントの要望は強いと思われます。できるだけ優しそうな笑顔の先生の顔写真や、相談しやすい雰囲気を演出した写真を多く使うといいでしょう。

分析5:内部リンク・外部リンクの数はどれくらい?

以下は27サイトの内部リンクの数のグラフです。

図:内部リンクの分布

続いて、外部リンクの数です。

結論(データから見えること)

  • 内部リンクについては・・・10個未満のページは7サイト(25.9%)、10以上のページは20サイト(74.1%)でした。また、平均は27.2、中央値は16.0、内部リンクと順位の相関係数はr=-0.06でした。
  • 外部リンクについては・・・平均は4.7、中央値は2.0、外部リンクと順位の相関係数はr=0.01でした。

データから見たSEOのポイント!

内部リンクについては、中央値が16個です。法律相続の事例紹介、料金案内、事務所へのアクセスなどのページを作り、必ずトップページで16個以上はリンクを貼るようにしましょう。

分析6:スマホ対応サイトはどれくらい?

以下は27サイトのスマホ対応状況です。

図:スマホ対応の割合

結論(データから見えること)

また、レスポンシブデザインに対応しているサイトが21件(77.8)%、非レスポンシブデザインのサイトが6件(22.2)%でした。

データから見たSEOのポイント!

スマホ対応は約8割となっています。概ね、他の業界と同じ程度です。個人利用の場合はスマホからのアクセスが多く、逆にビジネス利用の場合はPCからのアクセスも相当数あると思われます。スマホ対応は必須ですが、スマホデザインのみに特化するのではなくビジネス法務での相談も想定したPCデザインもしっかりと作ることが重要です。

分析7:キーワードの数はどれくらい?

以下は27サイトのタイトルへのキーワード「渋谷」が入っている個数の割合です。

図:タイトル中のキーワードの出現回数の割合

続いて、メタネームディスクリプションに入っているキーワードの数です。

図:メタネームディスクリプション中のキーワードの出現回数の割合

続いて、ページ内のキーワード「渋谷」の出現回数の分布です。

図:ページ内のキーワードの出現回数の割合

続いて、見出しであるH1〜H6に入っているキーワード「渋谷」の数です。

図:ヘッダー(見出し)内のキーワードの出現回数の割合

結論(データから見えること)

  • タイトル中のキーワード「渋谷」の出現回数については、キーワードの数が0個のサイトが3件(11.1)%、1個のサイトが17件(63.0)%、2個のサイトが5件(18.5)%、3個のサイトが1件(3.7)%、4個のサイトが1件(3.7)%でした。
  • メタネームディスクリプションの中のキーワード「渋谷」の出現回数については、キーワードの数が0個のサイトが9件(33.3)%、1個のサイトが14件(51.9)%、2個のサイトが2件(7.4)%、3個のサイトが1件(3.7)%、6個のサイトが1件(3.7)%、でした。
  • ページ中のキーワード「渋谷」の出現回数については、また、平均は6.5文字、中央値は3.0文字、ページ数と順位の相関係数はr=0.03でした。
  • ヘッダー(H2〜H6)の中のキーワード「渋谷」の出現回数については、キーワードの数が0個のサイトが9件(33.3)%、1個のサイトが14件(51.9)%、2個のサイトが2件(7.4)%、3個のサイトが1件(3.7)%、6個のサイトが1件(3.7)%、でした。

データから見たSEOのポイント!

目安として、キーワードの使用回数は以下のように考えてみるといいでしょう。

  • タイトルでのキーワードの使用回数:1~2回
  • メタネームディスクリプションでのキーワード使用回数:1回
  • ページ全体でのキーワード使用回数10回程度

エリア名(この場合「渋谷」)をタイトルに1〜2個入れている弁護士事務所は約8割を占めています。トップページでキーワード「渋谷」は中央値で3文字、概ね10文字未満に収まっています。エリア名は文章中に連発するというよりは、ページタイトルに1〜2個しっかりと入れ、それ以外は、文章中に数個程度入れるだけで十分です。

まとめ

以上、弁護士事務所におけるSEO対策について、渋谷を例にデータ分析の結果からポイントを見てきました。意外と、弁護士事務所のサイトはモダンなデザインも多く、SEO対策をされている企業が多いようです。ぜひ、今回の内容を参考に、すばらしいサイト制作を進めてください!

 

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