こんにちは、デジタルボーイです。当社で実際に行っている競合サイトの分析例についてキーワード「山口市 税理士」を例にとって、見ていこうと思います。
本記事の結論
コンサル的視点による一口メモ・・・
サイトの特徴
今回調査した「山口市 税理士事務所」でヒットした税理士事務所のウェブサイトには、他業界に比べて古いデザインや、手作り感のあるHTMLで構成されたものが多い印象があります。多くの場合、個人事務所や小規模な運営形態が主流であるため、売上規模も大きくなく、ウェブサイトを事務所自身で制作しているケースが多いのでしょう。ただし、税理士事務所の特性上、事務所の方針や税理士の人柄が伝わるようなシンプルでオーソドックスなデザインであれば、これはこれで信頼感を与えるためには十分ともいえます。一方、スマートフォン対応が遅れているサイトも目立ち、ここは改善の余地があると考えられます。
最近の業界の特徴
税理士事務所と一口に言っても、それぞれの事務所が持つ専門性や特徴には大きな幅があります。例えば、相続税や事業承継に特化した事務所、法人向けの経営コンサルティングや財務戦略を得意とする事務所、さらにはクラウド会計やITツールの導入支援を強みとする事務所など、多様性があります。また、近年ではDX(デジタルトランスフォーメーション)を取り入れた事務所も増え、業務効率化や付加価値提供を目指す動きが広がっています。これらの先進的な取り組みは、新規顧客の開拓や既存顧客との信頼関係構築においても有効です。
売上を伸ばすためのポイント
税理士事務所が売上を伸ばすには、「何が特徴であるのか」「どの分野に強みがあるのか」を明確に打ち出すことが重要です。そのための情報発信を行うためには、サイトやSNSの整備が欠かせません。例えば、相続税に強い事務所であれば、その分野の実績や具体例を掲載する、法人向けのサポートを重視する事務所であれば、経営者が知りたい情報を分かりやすく発信する、といった戦略が考えられます。また、訪問者が必要な情報に素早くアクセスできるように、シンプルかつスマホ対応のデザインにすることも重要です。これにより、顧客との接点を増やし、事務所の信頼性を高めることが期待できます。
まずは、今回の分析結果の結論を以下にまとめます。時間のない方は、こちらだけでもぜひお読みください。
データから見た、税理士SEOのポイント!(結論抜粋)
- サイト規模・・・他の業界に比べて、検索上位サイトにポータルサイトが位置する割合が高く、ここから、インターネット上では比較的、競合の少ない業界と言えます。ページ数もそれほど多くなく、山口市の税理士事務所はホームページに力を入れていない事務所が多いようですデザインも特に凝ったものはなく、非常にオーソドックスな特徴のないサイトが多いです。データ分析の結果、今後サイトを作る際はページ数は50ページ程度を目安としてサイトを作るといいでしょう。
- トップページの表示速度・・・一部にスピードの速いサイトがありますが、比較的古く文字だけのサイトが速度の上位を占めているようです。新規でサイトを作る際はぜひ、90点以上を目指してみましょう。先生の顔写真や事務所などの写真を十分に使いながらも、軽量化対策をしっかりとするといいでしょう。
- トップページの文字数・・・税理士事務所の特徴や税務サービス内容について、アピールすべき点を2000文字程度で端的に記載することが重要です。
- トップページの画像数・・・トップページでは、画像を30枚程度掲載しましょう。写真の内容は、自社の製品、設備、工場の内観、外観の写真などでいいでしょう。
- トップページのリンク・・・企業概要、問い合わせ、自社の税務サービスの内容などのページを準備し、しっかりとトップページからリンクを貼るようにしましょう。
- スマホ対応・・・ただし、他の業界はほぼ100%スマホ対応が進んでいます。スマホからのアクセスだけでなく、予約や問い合わせについても、細部について、スマホ最適化をすすめましょう。
- キーワード・・・キーワードの目安
- タイトルでのキーワードの使用回数:1回
- メタネームディスクリプションでのキーワード使用回数:1回
- ページ全体でのキーワード使用回数2〜3回程度
データ集計結果
データの分析結果の抜粋です。
- ポータルサイトの割合・・・上位30サイト中、36%の11件
- ページ数・・・平均は267.5ページ、中央値は50.0ページ、ページ数と順位の相関係数はr=0.3
- 表示速度・・・100点満点中、平均は46.7点、中央値は41.0点、ページ数と順位の相関係数はr=0.4
- ページ文字数・・・平均は1112.7、中央値は1151.0、文字数と順位の相関係数はr=0.03
- 画像数・・・平均は14.8枚、中央値は12.0枚、画像数と順位の相関係数はr=0.47
- 内部リンク数・・・平均13.2、中央値は12.0、内部リンクと順位の相関係数はr=-0.28
- 外部リンク数・・・平均2.6、中央値は1.0、外部リンクと順位の相関係数はr=0.11
- スマホ対応・・・スマホ対応サイトが14件(73.7)%、非スマホ対応のサイトが5件(26.3)%
- タイトルに入っているキーワード・・・「山口市」の数の割合はキーワードの数が0.0個のサイトが10件(52.6)%、1.0個のサイトが9件(47.4)%
- メタディスクリプションに入っているキーワード・・・「山口市」の割合はキーワードの数が0.0個のサイトが12件(63.2)%、1.0個のサイトが6件(31.6)%、2.0個のサイトが1件(5.3)%
- コンテンツ内のキーワード・・・「山口市」の数は平均は1.2回、中央値は1.0回、ページ数と順位の相関係数はr=-0.33
- ヘッダー1-6に入っているキーワード・・・「山口市」の割合はキーワードの数が0.0個のサイトが12件(63.2)%、1.0個のサイトが6件(31.6)%、2.0個のサイトが1件(5.3)%
調査方法
以下は、今回の分析に用いるデータの取得方法です。
- 調査対象キーワード:「山口市 + 税理士」
- データ収集方法:
- GoogleカスタムサーチAPI(公式ページ)により対象キーワードで上位30位のページURLを取得
- ページスピードについてはPageSpeedInsightsの結果データをAPIで取得。
- その他のページ内のSEO指標はページデータをPythonプログラミングにより分析。
「山口市 + 税理士」で上位サイトの特徴を調べてみた!
今回は山口市を例に税理士の検索上位30サイトの特徴をデータに基づいて調査し、税理士がとるべきSEO対策を解説したいと思います。
キーワード「山口市 + 税理士」の上位30サイト
上位30サイトは次のとおりです。
30サイト中のポータルサイトの割合
上記30サイトの内、紹介サイトや業界協会サイトや自治体などのポータル系サイトの割合は次の通りです。

30サイト中、ポータルサイトの割合は36%の11件でした。これらサイトは今回の税理士の個別サイトの直接の競合とは見なさないため、分析から除外し、以降は19件のデータで分析したいと思います。
分析1:上位サイトはどれくらいのページを制作している?
以下にポータルサイトをのぞいた19サイトのページ数のグラフを掲載します。

結論(データから見えること)
100ページ未満の小規模サイトは11サイト、100ページの中大規模サイトは8サイトであり、小規模サイトサイトが57.9%を占めていました。また、平均は267.5ページ、中央値は50.0ページ、ページ数と順位の相関係数はr=0.3でした。
データから見たSEOのポイント!
上位30件の内、ポータルサイトは11件で、他の業種に比べポータルサイトの割合が36%というのは、多いですね!しかも検索上位サイトにポータルサイトの占める割合が高い傾向がありました。サイト全体のページ数が中央値は50ページと、他の業界に比べて、若干少ないようです。
他の業界に比べて、検索上位サイトにポータルサイトが位置する割合が高く、ここから、インターネット上では比較的、競合の少ない業界と言えます。ページ数もそれほど多くなく、山口市の税理士事務所はホームページに力を入れていない事務所が多いようですデザインも特に凝ったものはなく、非常にオーソドックスな特徴のないサイトが多いです。データ分析の結果、今後サイトを作る際はページ数は50ページ程度を目安としてサイトを作るといいでしょう。
分析2:上位サイトの該当ページの表示速度はどれくらい?
以下は19サイトの該当ページのページスピードのグラフです。値は0〜100までを取り、100に近いほど「良い」という指標になります。なお、ページスピードについては、Googleが提供するWEBサイトのスピードを検査するための無料ツールであるPageSpeedInsightsをAPI接続し、取得しました(PageSpeedInsights公式ページへ)

また、ページスピードの結果を0-49を「低い」、50-89を「普通」、90-100を「高い」と区分けした場合の割合は以下となります。

結論(データから見えること)
該当ページのページスピードについては、100点満点中、平均は46.7点、中央値は41.0点、ページ数と順位の相関係数はr=0.4でした。また、「0-49:低い」サイトが12件(63.2%)、「50-89:普通」サイトが5件(26.3%)、「90-100:高い」サイトが2件(10.5%)でした。
データから見たSEOのポイント!
0-49点が約63%、50−89点が約26%と、90-100点が10%であり、他の業界に比べ、速いページスピードの分布となっています。
一部にスピードの速いサイトがありますが、比較的古く文字だけのサイトが速度の上位を占めているようです。新規でサイトを作る際はぜひ、90点以上を目指してみましょう。先生の顔写真や事務所などの写真を十分に使いながらも、軽量化対策をしっかりとするといいでしょう。
ページスピードの向上方法については、コチラにも記載してあるので、よかったら参考にしてください。
分析3:該当ページの文字数はどれくらい?
以下は19サイトの該当ページの文字数のグラフです。

結論(データから見えること)
該当ページの文字数については、1000文字未満のページは9サイト(47.4%)、1000文字以上のページは10サイト(52.6%)でした。また、平均は1112.7文字、中央値は1151.0文字、文字数と順位の相関係数はr=0.03でした。
データから見たSEOのポイント!
文字数の中央値は1151文字です。上位サイトは1000〜2500文字程度です。トップページについては、2000文字を目安に作成するといいでしょう。
税理士事務所の特徴や税務サービス内容について、アピールすべき点を2000文字程度で端的に記載することが重要です。
分析4:画像数はどれくらい?
以下は、19サイトの該当ページの画像数のグラフです。

結論(データから見えること)
該当ページの画像が10個未満のページは8サイト(42.1%)、10以上のページは11サイト(57.9%)でした。また、平均は14.8枚、中央値は12.0枚、画像数と順位の相関係数はr=0.47でした。
データから見たSEOのポイント!
画像数の中央値は12枚でした。1位のサイトは13枚でした画像の内容は、税理士先生の顔写真、オフィス風景、税務資料の写真などが多いです。
トップページでは、画像を30枚程度掲載しましょう。写真の内容は、自社の製品、設備、工場の内観、外観の写真などでいいでしょう。
分析5:内部リンク・外部リンクの数はどれくらい?
以下は19サイトの該当ページの内部リンクの数のグラフです。

続いて、該当ページの外部リンクの数です。

結論(データから見えること)
- 内部リンクについては・・・10個未満のページは9サイト(47.4%)、10以上のページは10サイト(52.6%)でした。また、平均は13.2、中央値は12.0、内部リンクと順位の相関係数はr=-0.28でした。
- 外部リンクについては・・・平均は2.6、中央値は1.0、外部リンクと順位の相関係数はr=0.11でした。
データから見たSEOのポイント!
内部リンクについては、中央値が12個でした。会社概要、税務サービス、申告までの流れの解説、問い合わせなどへのリンクが多いです。
企業概要、問い合わせ、自社の税務サービスの内容などのページを準備し、しっかりとトップページからリンクを貼るようにしましょう。
分析6:スマホ対応サイトはどれくらい?
以下は19サイトのスマホ対応状況です。

結論(データから見えること)
また、スマホ対応サイトが5件(26.3)%、非スマホ対応のサイトが14件(73.7)%でした。
データから見たSEOのポイント!
スマホ対応は73%以上であり、他業界と比べても低い水準です。
ただし、他の業界はほぼ100%スマホ対応が進んでいます。スマホからのアクセスだけでなく、予約や問い合わせについても、細部について、スマホ最適化をすすめましょう。
分析7:キーワードの数はどれくらい?
以下は19サイトの該当ページのタイトルへのキーワード「山口市」が入っている個数の割合です。

続いて、該当ページのメタネームディスクリプションに入っているキーワードの数です。

続いて、該当ページ内のキーワード「山口市」の出現回数の分布です。

続いて、該当ページの見出しであるH1〜H6に入っているキーワード「山口市」の数です。

結論(データから見えること)
- タイトル中のキーワード「山口市」の出現回数については、キーワードの数が0.0個のサイトが10件(52.6)%、1.0個のサイトが9件(47.4)%でした。
- メタネームディスクリプションの中のキーワード「山口市」の出現回数については、キーワードの数が0.0個のサイトが12件(63.2)%、1.0個のサイトが6件(31.6)%、2.0個のサイトが1件(5.3)%でした。
- ページ中のキーワード「山口市」の出現回数については、また、平均は1.2文字、中央値は1.0文字、ページ数と順位の相関係数はr=-0.33でした。
- ヘッダー(H2〜H6)の中のキーワード「山口市」の出現回数については、キーワードの数が0.0個のサイトが12件(63.2)%、1.0個のサイトが6件(31.6)%、2.0個のサイトが1件(5.3)%でした。
データから見たSEOのポイント!
目安として、キーワードの使用回数は以下のように考えてみるといいでしょう。
- タイトルでのキーワードの使用回数:1回
- メタネームディスクリプションでのキーワード使用回数:1回
- ページ全体でのキーワード使用回数2〜3回程度
エリア名(この場合「山口市」)をタイトルに入れていないサイトは522%、1個入れているサイトは47%です。他の業界に比べ、エリア名をタイトルに入れていないサイトが多いようです。エリア名はタイトルには1個をいれ、トップページ全体で5個程度入れるようにしましょう。
まとめ
以上、税理士におけるSEO対策について、山口市を例にデータ分析の結果からポイントを見てきました。ぜひ、ここで紹介したデータをもとに、SEOについて取り組んでみてください。