初心者のためのSEO対策のやり方とプランニング

みなさんこんにちは、デジタルボーイです。現役コンサルタント兼データサイエンティストが「データサイエンスを活用した効果的なSEO対策」というテーマで記事を作成しています。

今回は、コンサルタントの目線から、SEO対策初心者のために、サイトの目標設定とコンテンツ選びという観点で解説したいと思います。特に、みなさん気になるアクセス数のシミュレーション方法についても解説していますので、ご参考にしてください。

記事を書いた人

デジタルボーイです。
データサイエンス歴20年以上のおっさんです。中小企業診断士として、データサイエンス、WEBマーケティング、SEOに関するデータ分析、コンサルティングの仕事をしています。自己紹介の詳細はコチラ

目次

全体像:SEO対策の出発とゴール

SEO対策は、一見すると複雑で専門的な作業に思えるかもしれませんが、実際にやってみると、結構、シンプルな作業になります。大原則は、「ユーザーの悩みを解決し、価値を提供するコンテンツを届けること」、これを念頭に置いておけば、まず、間違いないです。

なので、検索エンジンのアルゴリズムや技術的な最適化に目を向ける前に、まずは「誰にどのような情報を届けたいのか」を明確にすることが大切です。本記事では、その基本的な考え方から始めて、実際のSEO対策のステップを一つずつ解説していきます!

私がコンサルタントとして、SEO対策を実施する際のおおまかなコンサル手順は次のSTEP1〜STEP5の流れになります。

STEP
SEO対策の目的を明確にする

何はともあれ、出発地点として「SEO対策の目的を明確にする」ことをクライアントと入念に実施します。これは、コンサルティングという登山を開始する際に、出発する前に、目的地点をきっちりとメンバーで共有することと言えます。これができていないと、ほぼ100%、コンサルティングは失敗してしまします。。。

STEP
コンテンツのテーマを決める

次に「コンテンツのテーマを決める」ことを行います。重要な点は、「クライアントが書きたいテーマ」ではなく、あくまで「目的を達成させるために必要なテーマ」という観点で、テーマを決めることです。

STEP
目標の記事数を決める

会社の状況や人員のリソースを見極め、目標の記事数を決定します。

STEP
目標キーワードを決める

Googleキーワードプランナーを使い、目標とするキーワードを決めましょう。

STEP
アクセス数シミュレーション

僕がコンサル場面で実施している、アクセス数のシミュレーション方法を解説します。

STEP
具体的なSEO対策を実施する

STEP5まで実施して、初めて、具体的なSEO対策に入ります。

意外と、SEO対策初心者は、STEPの1〜3を飛ばして、いきなりSTEPの4や5をやってしまうことが多いのですが、ビジネスを成功させるためには、やはりその前段階がとても重要になってきます。順を追って、解説してみますね。

STEP1:SEO対策の目的を明確にする

あなたが、WEBサイトを作る際、きっと何かの目的があるはずです。例えば、「自社ビジネスの売上を上げたい」や「自社のブランドの認知度を広げたい」など。そして、その目的を達成させるために、非常に強力なマーケティング技術が「SEO(Search Engine Optimization)」になります。

だからこそ、これはめちゃくちゃ重要なんですが、「SEO対策、そのものは目的ではない」という当たり前のことを、僕たちは常に意識する必要があります。SEOは手段出会って、僕たちが実現したいゴールは別にあります。そのゴールを常に見据えて、日々のSEO対策を実施する必要があります。

と言うのも、仮にSEO対策がバッチリで、いくつかのページで検索表示1位を獲得したとしましょう。でも、そのサイトの本来の目的が「問合せ件数を増やすこと」だったとして、その目的が一向に達成していない場合、SEO対策的には成功しているかもしてませんが、サイトの目的としては成功とは言えないですよね。

逆に、検索表示が1位のページがなくても、そのサイトの問合せ件数が十分な数だったとしたら、そのサイトは成功だと言えるでしょう。

だからこぞ、SEO初心者であっても、サイトの目的はなんなのか?ということを、しっかりと明確化させ、SEO対策をする際の、正しい方角を伝えてくれる羅針盤として、サイトの目的を意識することが重要です。ちなみに目的は一個でなくてもかまいません。とは言え10個は多い気がします。

一個から三個くらい、できるだけ具体的な目的で考えてみてください。

STEP1で決めること

Q.「サイトの目的はなんですか?
例)ビジネスのブランド認知度を広める。新規問合せ件数を増やす。商品購入者のサポート窓口とする等。

STEP2:コンテンツのテーマを決める

続いて、コンテンツのテーマ決めです。テーマを決める際、重要なのが、サイト訪問者はどんな人なのか、ターゲット像を意識することです。

サイトを訪れるユーザーは、実際には、それぞれが違った課題だとか、関心事だとか、悩みだとかを抱えて、それらの解決のためのサイトを訪れます。なので、ユーザーの立場に立って、ユーザーが「何に悩んでいるのか」「どんな情報を求めているのか」を考えて、コンテンツのテーマを決める必要があります。

ある工務店で僕がコンサルをしたときのことです。その工務店は経営する社長がブログの執筆も担当することになりました。もちろん、その社長はSEOの初心者です。そして、テーマ選びなんですが、その社長は、自分の会社のいい点、自慢できる点、ウリをどうしても伝えたかったんですよね。だから、そのテーマでブログを書こうとしていました。でも、サイト訪問者はその会社の自慢話なんて、これっぽっちも興味がありません。興味があるのは、「どうすればいい物件に出会えるか」とか「お得な不動産情報」など、自分にとってメリットのあることなんです。

この点について、一生懸命説得をして、どうにか、社長の希望ではなく、ユーザーの希望にそったテーマで記事を書いてもらうようになりました。

こんな感じで、サイト訪問者のターゲット像を想定して、ユーザーの課題や関心事を常に意識してコンテンツのテーマを設定することが、サイトの目的を達成させるためにとっても重要です。SEOで重要なことは、あくまで、主役はユーザーであり、書き手はそれをサポートする側だと言うことですね。

STEP2で決めること

  • Q1:「サイトのターゲットは誰ですか?」
  • Q2:「ターゲットの関心ごとや悩みはなんですか?」
  • Q3:「以上を元に、どんなテーマで記事を書けばいいですか?」

STEP3:目標の記事数を決める。

次に、目標の記事数を設定します。

目標の記事数ですが、経験上、1年以内に100記事くらい投稿することでサイト全体の信頼度が上がり継続的なアクセス数が見込める印象があります。そのため、基本的には僕がコンサルを行う場合は最低、100記事を目標としています。また、執筆メンバーが多く配置できるような企業の場合は、150記事とか200記事とか目標を設定します。SEO初心者だと、「え〜、多すぎ!」と思われるかもしれませんが。。。

例えば、執筆者が1名の場合、1年以内で100記事を達成するには、次のようになります。

1名 × 9記事/月 × 12ヶ月 = 108記事

ひと月に9記事を書くと1年間で100記事を達成できる算段です。ひと月に9記事というのは概ね週に2記事を執筆する必要がありますね。もちろん、記事のクオリティは重要で、やっつけの記事では効果はありません。コンサルティング場面では、クライアントには、1記事について半日は費やす必要があるということを伝えています。そのため、週2記事を投稿するには、ざっくりと1週間に1日は記事執筆に充てる必要があります。

1年間に100記事を達成させるためには、週1日はブログ執筆に充てる必要がある

従業員がそれほど多くない中小企業の場合、週1日を従業員のブログ作成に充てることはかなり難しいので、基本的には経営者が担当することが多いですね。現在の経営状況や人員配置の観点から、現実的な目標記事数を設定することが重要です。

また、記事数はライバルのページ数と比較することで目安を算出することができます。ライバルのページ数の取得方法については、コチラも参照してください。

STEP4:目標キーワードを決める

続いて、目標キーワードの決定をします。目標キーワードを決定するために必須のツールとして、Googleキーワードプランナーが役に立ちます。ここらへんもSEO初心者は見落としがちなので、ぜひ、日頃から使ええるようになると、上級者の仲間入りになると思います。

GoogleキーワードプランナーはGoogleが提供する無料ツールで、ユーザーがGoogle検索で検索をしているキーワードの月間検索数を調べることが可能です。まずは、次のリンクからトップページにアクセスしてみましょう。

Googleキーワードプランナートップページ

ここから、トップページの「キーワードプランナーを使ってみる」というボタンをクリックし、利用します。

続いて、次のページで、「新しいキーワードを見つける」をクリックしてみましょう。

以下は、例として、「データ分析」というキーワードで検索してみた結果が以下の画面です。

データ分析に関連するキーワードの月間平均検索ボリュームが掲載されてますね!「データ分析」という検索ボリュームは1000〜1万のようです。概ね平均5000の検索ボリュームがあると考えていいでしょう。(ちなみに、Google広告に出稿し広告料を払っているユーザーは「1000〜1万」という幅を持たせた検索数ではなく実際の検索数が表示されます)

また、僕の経験上、コンサル場面では、概ね、キーワードの検索ボリュームに対応したページのクリック率は、かなりざっくりですが、以下のように考えるようにしています。

検索順位とクリック率の目安

  • 1位: 35%
  • 2位: 20%
  • 3位: 15%
  • 4位: 10%
  • 5位: 5%
  • 6位: 5%
  • 7位: 3%
  • 8位: 3%
  • 9位: 2%
  • 10位: 2%

このクリック率の目安は、次のステップの「アクセス数シミュレーション」でも活用します。

キーワードについては、コチラにも関連記事を載せているので、参考にしてください

STEP5:アクセス数シミュレーション

アクセス数のシミュレーション

続いて、SEO対策をしっかりと実施した場合、どれくらいのアクセス数が見込めるのかシミュレーションしてみましょう。ただし、アクセス数のシミュレーション方法は決まったやり方があるわけではないので、僕流のデータサイエンス的シミュレーション方法をご紹介します。

ちなみに、僕がコンサル現場で行っているのは、「競合サイトのアクセス数」と「キーワードボリュームからシミュレーションしたアクセス数」の2つのアクセス数だし、それを平均する方法です。では、それぞれのアクセ数の算出方法を見てみましょう。

1. 競合サイトのアクセス数

自社サイトが当面の目標とするサイトやライバルとなるサイトのアクセス数は、SEO対策をしっかりやった後の自社のアクセス数の目安と考えることができますね。じゃあ、ライバルサイトのアクセス数はどうやって調べるのか?これは、無料版のSimilarwebというアクセス解析ツールを利用することで、可能です。

無料版のSimilarweb 公式サイト

次の画面は公式サイトのトップ画面です。

この画面の左側のボックスにライバルサイトのURLを貼り付けEnterを押すと、アクセス数などのレポートが表示されます。

画面はyahoo japanのサイトのアクセス数を調べた画面です。レポート中の「Total Visits Last 3 Months」というのが月の訪問者数となります。yahoo japanの5月の訪問者数は2B(20億アクセス)のようです。

これにより、ライバルとなるサイトのサイト訪問者数がわかりますね!

2. キーワードボリュームからアクセス数シミュレーション

仮に、目標となる100記事をアップした場合のサイトは次のような状態だと仮定しましょう。

完成予定のサイトの状態の仮定

  • サイト全体で100本の記事を公開
  • 各記事の平均アクセス数を500と仮定
  • SNS等の流入がSEO流入の20%

まあ、目標なので、ここら辺は、ざっくりとした目安の数値で全然かまいません。

この検索順位とクリック率の目安から、サイト全体のアクセス数は、ざっくりと次のような仮定をおくことで、シミュレーションすることができます。

仮定:完成目標のサイトの状態

  • サイト全体の記事数 = 100本
  • 記事1本あたりの平均アクセス数 = 500
  • SNS流入 = SEO流入×20%

SEO流入 = 記事総数×記事1本あたりの平均アクセス数
= 100 × 500
= 50,000

SNS流入 = SEO流入 × 20%
= 50,000 × 0.2
= 10,000

最終合計アクセス数 = 50,000 + 10,000
= 60,000

また、Twitterなどの情報発信からSNS経由の流入がもっと多そうだと判断できる場合は、SNS流入の比率を高めたりしてください。

最終的なアクセス数のシミュレーション結果

上のやり方で、ライバルサイトのアクセス数と検索ボリュームからのシミュレーションによるアクセス数を算出できました。 僕のコンサル場面ではここから、2つのアクセス数の間(平均)をとることで、アクセス数の概算としています。

最終的なアクセス数の概算」
ライバルサイトのアクセス数 + シミュレーションによるアクセス数 ÷ 2

今までの経験上、ライバルサイトのアクセス数よりも検索ボリュームからのシミュレーションの方がアクセス数は低く算出されています。それは、想定した検索ボリューム以外のキーワードによるアクセスなど、もろもろのアクセスが起こっていることに起因しています。なので、2つのアクセス数の間をとるというのは、わりかしよい概算なんではないかと、個人的には思っています。

STEP6:具体的なSEO対策を実施する

コンサル場面では、以上のプランニングを行い、やっとこさ、実際の具体的なSEO対策に入るようにしています。SEO対策については、おおむね、内部SEOと外部SEOの手順で実施しています。こちらに記事も紹介しますので、よかったらご覧ください。

まとめ

以上が初心者に向けた、SEO対策のやり方の概要とプランニングの説明でした。コンサル場面でつくづく思うことは、やっぱりプランニングをしっかりやらないと、なかなか最終的な成功が出せないという点です。

成果を上げたいとどうしても、早くSEO対策を進めたいときもちが焦ってしまうこともあると思います。でもここはイソガバ回れの精神ですね。

SEO対策を行う場合は、まずはじめにしっかりとプランニングを行い、それから具体的な対策を行うことが成功の鍵だと思います。ぜひ、参考にしてください!

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