みなさん、こんにちは。デジタルボーイです。
SEO分析のコンサル場面では、お客様から、かなり頻繁に「WEB記事の文字数はどれくらい書けばいいの?」と質問されることが多いです。
このように、「適切な文字数」は特に議論の的となるテーマの一つです。どれだけ優れた内容であっても、文字数が不適切であると、ユーザーや検索エンジンに満足してもらえないことがあります。本記事では、「ページの目的」に応じた文字数の最適化について、実際のデータをもとに検証し、明確な基準を提供します。
そのため、今回は実際のサイトの文字数を分析し、WEB記事で最適な文字数について、データを元に検証してみたいと思います!
デジタルボーイです。
データサイエンス歴20年以上のおっさんです。中小企業診断士として、データサイエンス、WEBマーケティング、SEOに関するデータ分析、コンサルティングの仕事をしています。自己紹介の詳細はコチラ
はじめに
SEO担当者の方々にとって、WEB記事の文字数はどれくらい書けばいいのか、という疑問はかなり切実なものですよね。。。1000字でいいのか、5000字書かないといけないのか、それによって作業時間が全然変わってきます。今日締め切りのWEB記事を1000字で良いと思って仕上げたら、先輩社員から「SEO記事なんて、絶対5000字書かないとダメだ!」なんて、退社時間1時間前に言われたら、絶望に打ちひしがれるか、怒りに震えるか、どちらか2択だと思います。
そんな時に、選べる選択肢が2択ではなく、第3の選択肢として、先輩社員に対して「データに基づいてきちんと、適正文字数を論理的に説明する」というものSEO担当者が持っておくのは、SEO的にも精神衛生的にも悪くはないはずです。
ということで、今回は、実際のWEBサイトのデータを用いて、検索順位と文字数の関係を検証したいと思います。「博多 弁護士」と「wordpress 高速化」という2つの異なる性質を持つキーワードを対象に、それぞれ検索上位30位のページの文字数を分析しました。
今回の結果によって、データに基づいた意思決定を行う賢明なSEO担当者である我らが読者の方々は、根性論と先入観に支配された先輩社員へ、正々堂々と、論理的な反論材料を持っていただければと思います。
調査方法
以下は、今回の分析に用いるデータの取得方法です。
- 調査対象キーワード:「博多 弁護士」と「wordpress 高速化」
- データ収集方法:
- GoogleカスタムサーチAPI(公式ページ)によりキーワードそれぞれで上位30位のページを取得
- その後、各ページのデータをPythonプログラミングにより分析。
分析結果:キーワード「博多 弁護士」
まずは、キーワード「博多 弁護士」における文字数の分布をグラフ化してみました。
一般的には文字数が多ければ多いほど検索順位は上位になりやすいとおもわれがちですが、今回のデータに限っては、順位の高いページほど文字数が多いという傾向は、見られませんでした。
ここで、文字数が100未満のページはうまくプログラムでデータが取得できなかったサイトのため、無視していただいて構いません。文字数100以上のページの文字数の統計量は以下の通りでした。
- 文字数の平均:2,257.6
- 文字数の中央値:1,180.5
- 最大値:11,587,
- 最小値:159
この場合、「博多 弁護士」のページの文字数の目安としては、中央値である1,180文字を目安にしてもらっていいと思います。思ったよりも、少なかったですかね?
分析結果:キーワード「wordpress 高速化」
続いて、キーワード「WordPress 高速化」における文字数の分布をグラフ化してみました。
ランキング25の25,706文字というのは、外れ値ですが、ランキング25を除外すると、概ね、順位の高いページほど文字数が多い傾向が見られます。実際に、文字数とGoogle検索ランキングの相関係数をとってみると、検索ランキングの高いページほど文字数が多いという傾向が見られました(r=-0.45)。この傾向は先ほどのキーワード「博多 弁護士」の傾向と異なっていますね!
また、文字数100以上のページの文字数の統計量は以下の通りでした(文字数が100未満のページはうまくプログラムでデータが取得できなかったサイトのため、無視しています)。
- 文字数の平均:7,268.0
- 文字数の中央値:5,451.0
- 最大値:25,706,
- 最小値:648
この場合、「WordPress 高速化」のページの文字数の目安としては、中央値である5,451文字を目安にしてもらっていいと思います。これは、先ほどの「博多 弁護士」の1,185文字の5倍程度であり、明らかに多くなっていますね!
2つのキーワードの比較
2つのキーワードで、それぞれ検索順位上位30ページで調べてみましたが、異なる傾向が見て取れましたね。ここでそれぞれのキーワードとページの違いについて考察してみます。
2つのキーワードの文字数の違い
以下は、2つのキーワードの文字数の統計量です。
キーワード | 平均 | 中央値 | 最大値 | 最小値 |
---|---|---|---|---|
博多 弁護士 | 2,257.6 | 1,180.5 | 11,587 | 159 |
WordPress 高速化 | 7,268.0 | 5,451.0 | 25,706 | 648 |
キーワード「 WordPress 高速化」の方が平均で3倍以上、中央値で5倍近く、文字数が多いことがわかりますね!
2つのキーワードの上位サイトの特徴
続いて、2つのキーワードで上位表示されたサイトの傾向を整理します。
キーワード「博多 弁護士」の上位サイトの特徴
- サイトトップページが多い
- ビジネスの紹介ページが多い
- ノウハウを提供するWEB記事ほとんど該当しない
→これらのページを「ビジネスページ」ということとします
キーワード「WordPress 高速化」の上位サイトの特徴
- コンテンツサイトのサブページがほとんど
- ノウハウを提供するWEB記事がほとんど
- 自社のビジネス紹介ページはほとんどない
→これらのページを「WEB記事ページ」ということとします
このように、WEB記事ページとビジネスページで、違いがありそうだ!ということがわかりましたね!確信に迫れそうなので、もう少し、掘り下げて分析してみましょう。
WEB記事ページとビジネスページは何が違う?
では、先ほどの2つのキーワードの特徴の違いから、WEB記事ページとビジネスページでの違いは、なんなのでしょうか?次のように考察しました。
ビジネスページの特徴
- 内容:目的はノウハウ提供ではなく、自社ビジネスの紹介
- ページ構成:典型的にはサイトのトップページで、自社サイトに属するページリンクの頂点となっている
- 文字数:文字数は1,000文字程度でそれほど、多くない
WEB記事ページ
- 内容:目的は自社ビジネスの紹介ではなく、ノウハウ提供
- ページ構成:典型的にはサイトに属するサブページであり、トップに紐づく構成ページである
- 文字数:文字数は5,000文字程度が多い
このように、ビジネスページとWEB記事ページでは、内容・ページ構成・文字数で、違いがあることが伺えました。
結論:データから見た、最適な文字数は?
以上から、目安となる文字数を算出するには、そのページがビジネスページなのか、WEB記事ページなのかで異なることがわかりました。
- ビジネスページの目安となる文字数:1,000文字程度で、他ページのリンクが中心
- WEB記事ページの目安となる文字数:5,000文字が一つの目安だが、ライバルページとの比較で決定する
特に、WEB記事ページについては、分野によってかなり異なります。「WordPress 高速化」のようなIT関連の込み入った内容の場合5,000文字と多いですが、他の分野では2,000文字が中央値の場合もあり、一概に言えません。なので、必ず、上位10位程度の他ページの文字数をカウントしてみて、大まかな目安を算出するようにしてください。
文字数カウントのためのおすすめツール
僕は、サイトの文字数は機械的にpythonでプログラミングし算出しています。ただ、プログラムをやらない人の場合は、こちらの無料サイトも便利なので、ぜひ利用してください。
便利ツール「文字数カウント」(公式ページ)
カウントしたいページから、文字をコピーし、文字数カウントの入力ボックスに文字をペーストし、「カウント」ボタンをクリックすれば、文字数がカウントされます。無料なので、ぜひ、使ってみてください!
まとめ
以上、SEO的なページの最適な文字数をデータから考察してみました。このやり方で、論理的にしっかりとした文字数の目安を算出することができると思います。ぜひ、皆さんも、やってみてくださいね!