AI入門4:AIに関する市場動向

(※シリーズ「AI入門」は、筆者が、2023年・2024年に愛知県中小企業診断協会の理論政策更新研修での登壇内容「AIを活用した中小企業診断」の補足資料として、本サイトに掲載しています)

みなさんこんにちは、デジタルボーイです。

本シリーズ「AI入門」の第4回となる記事となります。

ここ最近、AIが急速に広まっており、とんでもな勢いで、ビジネス場面でも、生活場面でも浸透していますよね!でも、実際のところ、本当にAIって活用されているのか?とう疑問も出てくると思います。

そこで今回は、AIの市場動向について、世界における市場と日本における市場で見ていきたいと思います

記事を書いた人

デジタルボーイです。
データサイエンス歴20年以上のおっさんです。中小企業診断士として、データサイエンス、WEBマーケティング、SEOに関するデータ分析、コンサルティングの仕事をしています。自己紹介の詳細はコチラ

目次

世界のAI市場とその動向

以下は、AI市場の世界における規模とその動向についてのデータです。

世界におけるAIの市場動向予測(ビリオン米ドル)
出典:https://www.precedenceresearch.com/artificial-intelligence-market

2022では、AI市場は4540億ドルに対して、2032年では、2兆5750億ドルにまで成長すると予測されています。これは、2022年から2032年までの10年間で、5.7倍にもなるということです。

ちなみに、2〜3兆ドルの市場規模というのは現在の自動車の世界市場と同程度です。AI市場は、自動車市場と同程度の市場になる、、、なんだかものすごいことですよね!

日本のAI市場の動向

次に、日本のAI市場について見ていきましょう。

以下のデータは、日本のAI市場の規模とその動向についてのデータです。

日本のAI市場予測(出典:総務省令和5年版「情報通信白書」より)https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r05/html/nd249100.html

これを見ると2022年の日本のAI市場は、約400億円(ざっくりと世界の100分の1)で、2027年の市場は1100億円(ざっくりと世界の200分の1)です。

伸び率も3倍程度です。世界のAI市場の伸び率に比べると、日本のAI市場は、やや控えめな印象を受けますね。まあ、ここらへんは市場予測で予測機関も変われば予測方法もことなるので、誤差の範囲でしょう。

それでも、やっぱり、市場が縮小していると言われている日本でも市場が3倍になることが予想されそれば政府の統計として発表されているということは、やはり、すごいことですよね!

これからAIが活用されることが予想される産業

もうすでにAIが活用されている産業

現在、AIが活用されている産業は、製造業、金融業、小売業、医療業、交通業、建設業、などと言われています。

製造業では、作った製品の欠陥を検出したり、製造ラインの効率化を図ったり、工場全体の稼働状況を監視したりという場面で、AIがすでに活用されています。

金融業では、ローンの支払いができなくなるような人をあらかじめ予測するような、返済リスクの予測とか、顧客のニーズを把握したりしています。

小売業では、倉庫の在庫管理や、販売促進を行っています。アマゾンなんかは、倉庫にロボットを導入して、注文がきた商品をロボットが出荷準備しているらしいですね!

医療業界では、AIを活用して、病気の診断なんかも行われています。

交通関連では、よく、テレビでゴールデンウィークの高速道路の渋滞予測を報道していますね。このようにすでに、AIを活用して交通渋滞の予測も行っています。

建設業では、AIを活用して、建物や重機の故障リスクの予測や、老朽化の画像診断、建設資材の管理の最適化を行っています。

これからAIが活躍すると予想される分野

これに対して、現在ではそれほどAIが活用されていなけれど、今後、どんどん活用されることが予想されている産業は、農業、教育業、公共事業、不動産業などと言われています。

農業については、現在でもスマート農場などといって、大規模な農場ではAIでハウスの温度や湿度を管理したり、水やりを自動であげたりしているところもあります。

これからは、小規模農家でもAIを活用して、効率的な農業を行うことができるようになると言われています。

教育業については、AIを活用して、生徒の学習状況を把握したり、その生徒に合わせた学習プランを提供することができる、なんてことも言われています。

これにより、生徒一人一人に合わせた学習が可能になって、生徒の学習効果の向上が期待されています。なんだか、AIが子供の勉強を管理するなんて、SF映画のような話ですよね!

公共事業については、AIを活用して、交通渋滞の予測や、災害時の避難経路の最適化などができるようになると言われています。

また、現在、役所で行なっている窓口業務も、AIを活用して、自動化することができるようになると言われています。

AIを活用して、あの紙と人が無駄に介在して、馬鹿みたいに時間のかかる役所の窓口業務が、スピードアップして、しかもそれで、税金の無駄遣いが減らされるのであれば、国民にとってもメリットが大きいですよね!

不動産業については、AIを活用して、物件の価格を予測したり、物件の賃貸価格を最適化したりすることができるようになると言われています。僕自身も仕事でAIで、物件の将来の価値を予測するモデルを作ったことがあります。不動産業界は他の業界に比べてITも遅れていることが多く、

中小企業にも今後AIが活用される

また、これまでは比較的大企業へのAIの導入が進んでいましたが、これからは中小企業のAIの導入もますます進んでいくと予想しています。理由は、AI技術の普及(僕のような町のAI技術も使いやすくなった)とか、深刻な人手不足や、原材料の高騰などです。

また、中小企業で特にAIが使いやすいのは次のような分野でしょう。

  1. 業務の自動化・効率化
    • 定型的な業務プロセスをAIが自動化することで、生産性の向上が期待できます。
    • 意思決定の高速化や精度向上にもAIは貢献します。
  2. 顧客サービスの向上
    • AIチャットボットによる顧客対応の自動化や、購買履歴分析に基づくパーソナライズドマーケティングが可能になります。
    • 顧客満足度の向上と売上増加が期待できます。
  3. データ活用の高度化
    • 蓄積したデータをAIが分析し、経営判断に活用することができます。
    • 中小企業ならではの柔軟性を活かした、スピーディな意思決定が可能になります。
  4. 新規事業開発
    • AIを活用した新しいビジネスモデルの創造にも挑戦できます。
    • AIを核とした付加価値の高いサービスの提供が期待されます。

とは言え、中小企業ではAIの導入コストや人材確保が課題となることも多いため、補助金などの国の支援策の活用などが重要になってきます。今後はこうした支援環境の整備により、中小企業のAI活用がさらに加速していくことが予想されます。

これからどんどんAIを活用することで、業界の効率化が進むといいですよね!

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