こんにちは、デジタルボーイです。普段はクライアントのAI開発、データ分析、中小企業コンサルを仕事としていますが、クライアントのご要望に応じて補助金申請のご支援もしています。補助金事務局のコーディネータや精度内部にも関わっていた経験からしっかりと補助金について解説したいと思います!

デジタルボーイです。
データサイエンス歴20年以上のおっさんです(元SAS institute japan データサイエンティスト)。中小企業診断士として、AI開発、データサイエンス、WEBマーケティング、SEOに関するデータ分析、コンサルティング、補助金支援の仕事をしています。自己紹介の詳細はコチラ
新事業進出補助金の申請をお考えの方へ
新事業進出補助金の申請を考えているなら、「何に使えるか」よりも「何に使えないか」を先に理解しておくことが重要です。経費の選定を間違えると、最悪の場合は採択取消や補助金返還につながります。
ただ、最初に一つ安心してほしいのは「対象外の経費が入っていた=全部ダメになる」わけではないということ。原則としてNGな部分だけがカットされます。全部ひっくり返るのは「計上した経費の大半が対象外」というかなり極端な状態だけです。
「必要なものを積み上げて正々堂々と申請する」——これが経費計上の正しいスタンスです。小手先のテクニックに走らなくていいんですよね。
大原則:「専ら新事業のためだけ」に使う経費かどうか
補助対象経費かどうかの判断はシンプルです。「補助事業として取り組む新事業のためにのみ使用される経費かどうか」。既存事業にも転用できる、普段の業務にも使えるものは対象になりません。
よく対象外になるものを挙げると:
- 事務用PC・プリンタ・タブレット・スマートフォンなど汎用品:新事業以外にも使えてしまうためNG
- 車両・船舶・航空機:購入費も修理費も対象外
- 土地・建物の購入費・賃貸料・仲介手数料など:不動産は基本NG(建物の改修費は対象になる場合あり)
- 消費税などの公租公課:対象外
- 補助金申請支援の費用:これを補助対象経費として計上するよう勧めるコンサルがいますが、絶対NGです
最後の点は特に注意してほしいのですが、成功報酬として不当に高い費用を請求したり、補助対象経費に申請支援費用を入れるよう教唆するコンサルが実在します。こういった悪質な業者には近づかないでください。補助金は事業のための資金であって、コンサルの報酬を水増しするための制度ではありません。
不採択ワースト1「置き換え」という罠
現場で最も多く見かける落とし穴がこれです。既存設備の「置き換え」はNGです。
「置き換え」と判断されやすいケースを具体的に挙げると:
- 老朽化した機械が古くなったので新しいものに買い替える(更新目的の投資)
- 処理速度が遅い既存機械を、スペックの高い最新機種にアップグレードする
- 手作業で行っていた既存の工程を、機械や自動化システムに置き換えて効率化する
「新しい機械を入れるのに新事業じゃないの?」と思う社長は多いです。でも審査が問うのは「その設備で何をやるのか」です。「既存の仕事をより効率よくやるための設備」と判断されれば、それは置き換えです。
特に3つ目の「手作業→機械化」のパターンが判断として難しいところで、「省力化のための投資」と「新事業進出のための投資」は明確に区別する必要があります。省力化が目的なら省力化補助金の方が適切ですし、新事業進出補助金を使うなら「その機械で全く新しいものを作る」というストーリーが必要です。
これは経費の問題だけでなく、事業内容の審査とも直結しています。経費がきれいに整理されていても、事業内容が「既存の延長」と判断されれば不採択になります。経費と事業計画はセットで評価されると思ってください。
「事業内容」で落ちる3つのパターン
パターン①:既存製品の単純な増産
「需要が増えているから設備を増強して生産量を上げたい」——よく聞く理由ですが、製品もプロセスも変わらない増産計画は新規性がないと判断されます。同様に、過去に製造していた製品を再び作り始めるというのも認められません。
需要増への対応は経営的にはまっとうな理由ですが、この補助金の目的は「新しい挑戦を支援すること」です。既存の延長は別の補助金で対応するのが適切なケースが多いです。
パターン②:容易な改変・組み合わせ
自社にとって初めての取り組みであっても、「既存製品に少し改変を加えただけ」「2つの既存製品を組み合わせただけ」では審査での評価が厳しくなります。この補助金が求めるのは自社の実態から見て「大胆な挑戦」であること。容易に製造できるものは、それだけで審査員の評価が下がります。
パターン③:顧客層が変わらない
新しい製品を作っても、売る相手が既存事業と同じであれば「市場の新規性がない」と判断されます。商圏を少しずらすだけ、既存顧客向けにメニューを追加するだけのケースも同様です。新事業進出補助金が求めるのは「新しい顧客層への参入」です。
この補助金に向いていないケースもある
現場でよく見かけるのが「新規事業と言いながら、収益の大部分が既存事業に関わる形で設備を使う予定」というケースです。「新しい事業のための設備」と申請しながら、話を詳しく聞いてみると実際には既存顧客向けの仕事でも機材を使うつもりだった——こういう場合は率直にお断りします。
補助金ありきで後付けの「新規事業」を作り上げても、その後のビジネスとして成り立つかどうかは別問題です。補助金をもらったあとにその事業が軌道に乗らなければ、返還リスクも含めて会社にとってマイナスになります。コンサルが補助金目当てで無理な新規性を設計するのは誠実ではないと思っています。
もし計画が明らかに既存事業の延長であれば、無理にこの補助金を使わなくていいんです。ものづくり補助金など他の補助金でうまく対応できるケースはたくさんあります。「どの補助金を使うか」より「何をやりたいか」から始め、計画に合った補助金を選ぶことが結果的に会社のためになります。
補助金は「後払い」——手元資金の確認が必須
経費の話と切り離せないのが資金の話です。補助金は「先に全額支払い→後から補助金が振り込まれる」という仕組みです。
たとえば補助対象経費が3,000万円の計画であれば、まず3,000万円を自分で支払い、その後に1,500万円が補助金として戻ってくる、という流れです。採択されたからといって、先にお金がもらえるわけではありません。
このため、設備代金を一時的に支払えるだけの手元資金があるか、もしくは日本政策金融公庫や地元の金融機関から融資を受けられるかが、申請前の重要な確認事項です。金融機関から借りられない、債務超過が懸念される——そういう状況だと、採択されても実質的に使えない補助金になってしまいます。
なお、採択から交付決定・補助金入金までの全体的な流れは制度概要の記事でまとめています。経費の話と並行して把握しておくことをおすすめします。
対象外経費を詰め込みすぎると「一発アウト」のリスクも
「とりあえず多めに申請して、後からカットされればいい」という考えは危険です。計上されている経費の大半が補助対象外だった場合、事務局は「補助事業の円滑な実施が困難」と判断し、審査の土俵にすら乗れないことがあります。
家賃、消費税、事務用品……こういったものを大量に盛り込んだ申請書は、そもそも補助金として成立しないと思ってください。「一部の経費がカットされる」のと「大半がNGで審査対象外になる」は全く違う話で、後者は取り返しがつきません。
「この経費は入れていいのか?」と迷うものについては、専門家に確認してから入れるのが安全です。迷うくらいなら入れないか確認する。このスタンスが一番確実です。
経費計上の実務上の注意点
相見積もり
50万円以上の経費については原則3者以上の相見積もりが必要です。相見積もりが取れない場合(特定メーカーの製品しかない、受注生産品など)でも、理由書を提出すれば対応できます。
注意したいのは、まだ開発できていない受注生産品や、仕様が決まっていない開発中のシステムで金額が大きく変わる可能性があるものです。この場合、見積もりの確定が難しく、補助事業期間内に仕上がるかどうかも含めて慎重に判断する必要があります。
支払いは銀行振込で
支払い方法についてはクレジットカードより銀行振込が断然おすすめです。後から振込の証跡が必要になるため、振込控えは必ず保管しておきましょう。カード払いの場合は後から証跡の管理が煩雑になることが多く、確定検査時にトラブルになりやすいです。
順番を守る
これが一番大事なのですが、補助金の流れには厳格な順序があります。
採択 → 交付申請 → 交付決定 → ここから発注・契約・支払い → 補助事業完了 → 実績報告 → 確定検査 → 補助金請求 → 入金
この順番は絶対で、交付決定より前に動いた経費は補助対象外になります。補助事業の実務を進める際は、常にこのフローを頭に入れておいてください。
まとめ
新事業進出補助金の経費計上で大切なのは「なぜこの経費が、この新しい挑戦のために必要なのか」を論理的に説明できることです。必要なものを積み上げて申請し、ダメだったらカットされるだけ——このシンプルな姿勢で臨むのが結局一番確実です。
経費を整理したら、次は計画書にその根拠を落とし込む作業が待っています。採択される事業計画書の書き方もあわせて読んでおくと、全体像がつながります。「これは対象になる?」と迷ったときは、専門家と一緒に確認しながら進めるのが安心です。遠回りのようで、それが最も確実な方法です。ご相談はお気軽にどうぞ。
うちでも使えるか?」まずはご相談ください
補助金は、一度使った事業者さんほどリピートする傾向があります。裏を返せば、まだ使ったことがない方こそ大きなチャンスがあるということです。
当事務所では、中小企業診断士としての経営コンサルティングと、AIエンジニアとしての技術的知見を活かし、事業計画の策定からSIerとの技術調整、申請書の作成まで一貫してサポートしています。
- この設備は補助対象になるのか?
- 計画書はどう書けばいいのか?
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