新事業進出補助金の事業計画書の書き方!採択される計画書のポイント

こんにちは、デジタルボーイです。普段はクライアントのAI開発、データ分析、中小企業コンサルを仕事としていますが、クライアントのご要望に応じて補助金申請のご支援もしています。補助金事務局のコーディネータや精度内部にも関わっていた経験からしっかりと補助金について解説したいと思います!

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デジタルボーイです。
データサイエンス歴20年以上のおっさんです(元SAS institute japan データサイエンティスト)。中小企業診断士として、AI開発、データサイエンス、WEBマーケティング、SEOに関するデータ分析、コンサルティング、補助金支援の仕事をしています。自己紹介の詳細はコチラ

目次

事業計画書は申請者自身が作らなければならない!!

新事業進出補助金の採択はほぼ事業計画書の出来で決まります。そして他の補助金と一線を画す特徴が一つあります。「事業計画書は申請者自身が作らなければならない」というルールが、非常に明確に定められているんです。

もちろん、専門家のサポートを受けることは認められています。ただ「コンサルが全部作った計画書を社長が提出する」という形はNG。これはこの補助金が過去の補助金から学んだ最大の教訓の一つです。

事業計画書は「社長が作るもの」——これが絶対の前提

公募要領には、申請者は事業計画の「作成、実行及び成果目標の達成に責任を持って取り組む」必要があると明記されています。計画書の主役はあくまで社長自身です。

代行が発覚した場合のペナルティは厳しく、審査中なら不採択、採択後なら取消、交付決定後なら取消+返還義務が生じます。申請時には、外部支援者から助言を受けた場合、支援者の名称・支援内容・報酬額・契約期間を電子申請システム内で必ず申告しなければなりません。

コンサルの正しい役割は「一緒に計画を考えるパートナー」です。過去の採択事例を示しながらアイデアを整理し、数値の根拠を一緒に作る——そういった支援はできます。でも最後は社長が責任を持って計画書を仕上げ、提出する。それが求められる形です。

「計画書を書くのは難しそう」と感じる方も多いですが、今はAIをツールとして使える時代です。コンサルと事業の方向性・数値の根拠を議論して固めてから、文章の整理や構成にAIを活用すれば、計画書作成のハードルはかなり下がります。大切なのは計画の「中身の質」であって、文章の上手さではありません。

この自己作成ルールについて、少し踏み込んで話させてください。以前の事業再構築補助金では「代理申請」「丸投げ申請」「コピペ申請」が横行して問題になりました。私はこの新事業進出補助金を、そうした反省を踏まえてよりクリーンな形でリニューアルされた制度だと捉えています。過去の補助金で問題になった行為を把握し、誠実に対応することが、地場で活動する中小企業診断士などの専門家の使命だと思っています。補助金は中小企業の本物の挑戦を後押しするためのツールであるはずで、それに向き合う誠実さが補助金支援の根幹です。申請を検討している方には、そういう姿勢で向き合ってくれる専門家を選んでほしいですね。

事務局が推奨する「PREP法」で書く

計画書を書く際に意識してほしいのがPREP法です。事務局が提供する記入例もこの構成に沿って作られています。

  • P(Point):まず結論を述べる
  • R(Reason):なぜその事業をやるのか、理由・背景を説明する
  • E(Example):具体的な取組内容・ターゲット・手法を示す
  • P(Point):最後にもう一度結論でまとめる

製造業の例で言えば、こんな流れになります。「自動車部品の加工技術を活かし、新たに半導体製造装置向け精密部品に参入することで、既存顧客への依存を脱却し付加価値の高い事業基盤を作ります(結論)→ 自動車業界の先行き不透明感と半導体需要の拡大(理由)→ 具体的な設備投資内容・ターゲット顧客・営業計画(具体例)→ 3年後の付加価値額・賃上げ達成見込み(再結論)」といった構成です。

計画書冒頭の「事業計画の概要」欄(500字以内)は特に重要です。「誰に・何を・どのように」の3点を具体的に書くことがスタートラインで、ここが抽象的だと審査の入口で評価が下がります。

事務局は「妥当性・具体性を伴う記載でない場合や説明文字数が少ない場合は正確な審査ができない」と明記しています。一般論や業界の話ばかりで自社の話が薄い計画書は、それだけで不採択リスクが大幅に上がります。

この補助金最大の壁「新規性の証明」

採択を大きく左右するのが新規性の説明です。2つの条件を両方満たす必要があります。

① 製品等の新規性(自社で過去に実績のない製品・サービスであること)

OKの例:既存の加工技術を応用して、自社でこれまで製造したことのない新しい製品を企画・製造・販売する

NGの例:既存製品の単なる増産、過去に製造していた製品の再製造、製造プロセスを変えるだけで製品自体に有意な差がないもの

② 市場の新規性(既存事業と異なる顧客層をターゲットにすること)

OKの例:既存事業のターゲットが自動車部品メーカーで、新事業のターゲットが半導体製造装置メーカー(ニーズも属性も明確に異なる)

NGの例:新製品を出しても既存顧客の需要が新製品に置き換わるだけ、商圏を変えるだけ、既存顧客向けにメニューを追加するだけ

この新規性を「説明する」というよりも、社長が「やりたいこと」を持ってきたところから一緒にプランを作り上げていくプロセスが現実に近いです。「どうすれば新規性として成立するか」を一緒に整理して計画に落とし込んでいくのが、コンサルの腕の見せどころです。

一方で、「補助金のために後付けで新規性を作る」のは別の話です。計画書の上では新規性があるように書けても、その後のビジネスとして成り立つかは別問題。後付けの新規性で事業が伸びるとは思えないですし、コンサルが補助金ありきで無理な新規性を設計するのは誠実ではないと思っています。

もちろん、社長が最初から「新しいことをやりたい」という明確な思いを持っていて、若干の調整で要件に当てはまる場合は問題ありません。たとえば、投資しようとしていた設備を既存事業でも使うつもりだったのを、新事業専用に絞る形に修正するといったケースはよくあります。こういった現実的な調整は普通のことです。

金融機関との事前調整は申請前の必須作業

事業計画書の「実現可能性」を裏付ける上で、金融機関との連携は欠かせません。

この補助金は最大9,000万円という高額補助金ですが、補助金は「先に全額支払い→後から補助金が振り込まれる」仕組みです。設備代金の全額を一度自分で支払える体力が必要で、大半の中小企業では金融機関からの融資が前提になります。

この補助金の補助額・対象者・申請スケジュールの全体像については制度概要の記事で解説しています。計画書を書き始める前に把握しておくことをおすすめします。

私のスタンスははっきりしていて「申請を考えている段階から金融機関に相談に行くべき」です。「相談に行くのが恥ずかしい」「断られるのが怖い」という気持ちはわかりますが、そういう気兼ねがあるくらいなら申請自体を見直した方がいいと思っています。金融機関がストップをかけるようなら、私は支援には入りません。それくらい、高額投資における金融機関との連携は重要です。

事業計画書の審査でも、財務状況や資金調達の見込みは重要な評価項目です。決算書を見ればある程度の財務状況はわかりますし、根拠のない「資金調達の目処が立っています」という記述は通用しません。事前に金融機関から内諾を得ておくことが、審査における実現可能性の裏付けになります。

審査員はここを見る:4つの評価基準

計画書は以下の4つの観点で評価されます。書くときはこの4点を意識して、各項目を満たす内容になっているかを確認しながら構成しましょう。

① 補助対象事業としての適格性

付加価値額や賃上げの目標値が適切に設定されており、達成できる根拠があるかが問われます。高い目標を掲げる場合、その高さと実現可能性のバランスが見られます。「高い目標を書けば評価される」という考えは危険で、根拠のない楽観的な数値は逆効果です。

② 新規事業の有望度

狙う市場に十分な規模・成長性があるか。競合と比べた差別化や優位性は明確かどうかです。「良い製品を作れば売れる」という感覚論は通りません。「なぜこの市場で自社が勝てるのか」を客観的なデータを使って論理的に説明できることが大切です。

③ 事業の実現可能性

財務状況から見て事業を遂行できるか、金融機関からの資金調達の見込みはあるか(前述)。加えて、必要な人材や社内体制が整っているか、外部への過度な依存がないかも審査されます。「計画は素晴らしいが、社内にそれを実行できる人がいない」という計画書は実現可能性が低いと判断されます。

④ 政策面での貢献

デジタル技術・低炭素技術の活用など、日本経済の構造転換につながるかどうか。地域雇用の創出、ニッチ分野でのグローバル展開の可能性なども評価されます。自社の利益にとどまらず、どんな社会的な意義があるかを意識した計画が高く評価される傾向があります。

ものづくり補助金のノウハウはそのまま活きる

「もの補助の申請経験がある会社は有利ですか?」という質問をよく受けます。

答えはYESです!ものづくり補助金などこれまでの経済産業省関連の補助金は、スキームの基本的な仕組みが共通しています。なお、計画書を書く前に補助対象となる経費の判断基準を押さえておくことも重要です。経費の解説記事も参考にしてください。数値の積み上げ方、計画書の論理的な構成、審査員に伝わる書き方——これらのノウハウはそのまま活きます。特に事業再構築補助金と非常に近しいスキームなので、その経験がある方は特に馴染みやすいはずです。

ただし新事業進出補助金特有の難しさは「製品の新規性と市場の新規性を両立して証明すること」です。もの補助では事業の改善・強化が認められましたが、この補助金は「明確に新しいこと」が求められます。ここだけは、これまでの書き方をそのまま流用するのではなく、しっかり意識して構成する必要があります。

口頭審査への備え:呼ばれてから準備しても間に合う

新事業進出補助金には、書面審査を通過した事業者を対象に口頭審査が行われる仕組みがあります。Zoom等のオンライン会議で1事業者約15分。代表者や役員のみが対応でき、コンサルの同席・助言は一切NGです。

ただ、正直なところ「口頭審査が呼ばれるケースはそれほど多くないのでは?」と踏んでいます。忙しい経営者のスケジュール調整、オンライン環境の整備など、全申請者に実施するのは現実的に難しいからです。

万が一呼ばれた場合も、その時点でしっかり準備すれば十分間に合います。当日は運転免許証などの顔写真付き身分証明書による本人確認があり、イヤホン・ヘッドセットは使用不可(スピーカーのみOK)というルールもあります。

最も大切なのは「自分の言葉で事業と数値を説明できるか」です。AI丸投げ・コンサル丸投げで作られた計画書は、ここで自分の言葉で話せないため大きなリスクになります。計画を自分のものとして理解していれば、それほど怖がる必要はありません。

なお、GビズIDプライムアカウントの取得や一般事業主行動計画の策定など、申請前の事務手続きは代表者が自分でやる必要はありません。PCに慣れた社内担当者が作業すれば問題ないです。ただし口頭審査の対応だけは代表者や役員が行う必要があるので、そこだけは覚えておいてください。

まとめ

新事業進出補助金の計画書で押さえるべきポイントは:

  • 計画書の主役は社長。コンサルは「一緒に考えるパートナー」であり、AIはツールとして使う
  • PREP法を意識して「誰に・何を・どのように」を具体的に書く
  • 製品の新規性と市場の新規性を両立して証明する
  • 金融機関との事前調整は申請を考えた段階からすぐに動く
  • 口頭審査は万が一呼ばれてから準備しても十分間に合う

「どこから手をつければいいかわからない」という段階でも、誠実に向き合ってくれる専門家と相談しながら計画を練り上げることはできます。補助金の目的はあくまで事業の前進で、その本質から外れない形で進めることが採択への正道です。ご相談はお気軽にどうぞ。

うちでも使えるか?」まずはご相談ください

補助金は、一度使った事業者さんほどリピートする傾向があります。裏を返せば、まだ使ったことがない方こそ大きなチャンスがあるということです。

当事務所では、中小企業診断士としての経営コンサルティングと、AIエンジニアとしての技術的知見を活かし、事業計画の策定からSIerとの技術調整、申請書の作成まで一貫してサポートしています。

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